2016 Fiscal Year Research-status Report
理科の中等教育における探究活動や課題研究における学習プログラム及び評価方法の考案
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16K01049
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
野内 頼一 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (00741696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 顕一 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 総括研究官 (50549368)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高校 / 化学 / 探究 / 学習プログラム / 評価 / 課題研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
共同研究者や研究協力者と共に先行研究からの情報を基に,次期学習指導要領の「理数探究基礎」や「理数探究」に資する探究活動や課題研究について,学習プログラムや評価方法を構築するための要因を抽出し,幾つかの分野で試案を作成し実践してまとめた。具体的には,千葉県立A高等学校の授業を参観し,化学実験レポート「醤油に濃塩酸を加えるとなぜ塩化ナトリウムの結晶が析出したのか」についての相互評価に関して情報交換を行った。評価規準表を基にした自己評価や他者評価を通して生徒の記述内容が改善され生徒が自分の成長を認識できるような構成であった。国立大附属B校と適宜打ち合わせを実施し,バカロレアに関する学習プログラムの構築や評価についての情報交換を行った。単元計画全体を通して社会との結びつきを意識した構成であった。さらに,SSH校であるC中等教育学校においては,授業におけるルーブリック評価の実践に関する情報交換を行った。幅広い分野においてルーブリックを用いた評価の実践がなされていた。北海道立D高校における「酸・塩基に関わる未知資料の同定」の課題研究の実践においては,生徒個人で実験の方法を考案させた後,グループで検討改善させグループとして実験方法を再度考案させる構成であった。北海道の理科教員対象研修における取組でも実験計画をどうたてるかが指導のポイントになっていた。青森県E高校における探究活動のプロセスに焦点をあてた実践では,問題を見いだし課題をどう設定するかを中心に生徒の主体性をどう育むかを研究している。佐賀県立F高校における電気分解の授業実践では,自己評価において,今回の実験でわかったことを書かせて生徒の変容を把握する試みをしている。上記のような実践における情報交換や成果と課題の抽出を中心に研究を進めた。その他,研究会の実施やメール等を通して情報交換を適宜行い,成果や課題の共有に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主に高等学校での探究活動や課題研究における先行研究から情報収集を行うとともに,SSH校やバカロレア校から優れた実践の要因を抽出することなども行った。それらを基に,主に高校化学においていくつかの分野で探究活動や課題研究の学習プログラムを試案し,その実践を持ち寄ってその成果と課題を検証した。その内容は「一般社団法人日本理科教育学会第67回全国大会」にて発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
「一般社団法人日本理科教育学会第67回全国大会」の研究発表に向けて情報の共有,成果と課題の検証を進める。その後,定期的に研究会等を開催し,探究活動や課題研究における具体的な学習プログラムや評価方法を考案する。考案した学習プログラムや評価方法に改良を加え実践をくりかえすとともに,得られた結果から成果と課題を分析し学会等で発表する予定である。
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Causes of Carryover |
旅費が予定よりも低く抑えられたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究会の実施や学会等の発表に係る旅費
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