2016 Fiscal Year Research-status Report
聴覚障害学生に対する実技演習を支援する触覚情報提示に関する研究
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16K01056
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 拓弥 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (10553935)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 聴覚障害 / 実技 / 演習 / 教示支援 / 情報保障 / 触覚 / 振動 / SZCAT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,聴覚障害学生対象の実技演習における触覚情報の可能性に着目した.従来,視覚中心であった情報保障に触覚情報を加えることで,実技演習の内容理解度を向上させることができるのではないかと考えた. 研究実施計画に基づき,平成28年度は,はじめにコンピュータ操作を教示する際の触覚情報の伝達手法について検討した.教員の行っているマウス操作を触覚で再現するため,既存の触覚フィードバックデバイスを調査し,学生がコンピュータ操作を行う際に妨げにならない手法を検討した.検討の結果,デバイスを装着する学生に対する負担を軽減するため,軽量小型であることを前提とした.また,触覚情報の応答性と強度を優先し,ソレノイドを触覚情報を発生させるための振動素子として採用した.ソレノイドを小型のプラスチックケースに収めて指に装着し,これをArduino基盤に接続,USBインタフェースを経由してPCと接続する仕様とした.ソレノイドを用いた触覚情報提示デバイスと制御プログラムを含めたシステム全体をパッケージとして,SZCAT(SynchroniZed Click Action Transmitter)と命名した. SZCAT開発後,筑波技術大学産業技術学部総合デザイン学科に所属する学生に対して評価実験を行い,有効性を検証した.質問紙調査の結果から,主観的評価による有効性を示すことができた.結果はヒューマンインタフェース学会シンポジウム2016において発表し,優秀プレゼンテーション賞を受賞した.また,平成29年度に開催される国際学会において発表予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は触覚提示手法の検討と開発までを当初目的としていた.開発は予定通り完了し,加えて平成29年度において予定していたシステムの有効性の検証を一部前倒して実施できた.また,結果を学会発表することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画以上に進展しているが,平成28年度は質問紙調査による定性的検証が中心であったため,平成29年度は定量的評価を加え,引き続き有効性を検証する計画である.
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Causes of Carryover |
申請当初の計画よりも順調に推移し,平成29年度に申請当時の予定にない国際学会での発表の可能性が生じた.平成29年度,計画的に研究費を確保するため,平成28年度の国際学会の参加費については他の研究費によって充当した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度,計画的に確保した国際学会における発表に使用する.執行が一年遅れるが,費用項目は同じである.
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