2016 Fiscal Year Research-status Report
技術教育的アプローチによる個別の教育的ニーズ支援と教員養成への還元
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16K01067
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
岡村 吉永 山口大学, 教育学部, 教授 (10204025)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 技術教育的アプローチ / 個別の教育的ニーズ / 教員養成 / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
技術教育的アプローチを用いて、支援を必要とする個別のニーズにどう応えるのかについて検討し、具体的な教具等の試作を行った。特に、3Dプリンターを用いた教材開発については、その有効利用に関する一定の知見を得ることができた。現在、技術分野での測定的手法と3Dプリンターを組み合わせる形で、3種類の教具の開発を進めており、内1種については、次年度前半に実際の中学校で効果を検証し、成果の発表を行う計画である。残りに2種についてもほぼ試作が終わり、効果の検証に向けた準備を進めている。 また、技術教育における指導方法の改善については、ものづくり分野における新たな練習題材の提案とその効果の検証を行った。生活様式の変化により、子どもたちの加工経験が著しく減少し、本格的な製作学習の前に練習題材で加工具になれさせることが一般的となっている。しかしながら時間や予算などの制約によって、練習題材は、画一的で面白味の無いものが一般的で、学習者の意欲を減じる一因にもなっている。この改善として、本研究では、学習者が進んで工夫しながら基礎的な技法が学べる練習題材の提案を行った。実際に2つの中学校で実施した結果は、題材の基本形を踏まえつつ、完成形がそれぞれ異なる作品となっており、能動的な学習が展開されたことが伺えた。 個別の教育的ニーズの収集に関しては、小学校の理科を中心に教員への聞き取りを行い、実験における困難場面および今後実施が困難になると予想される学習内容についての把握ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
技樹教育的アプローチが有効と思われる個別的な教育ニーズの把握については、いくつかの示唆が得られた一方、特別支援分野については不十分さが残る。 3Dプリンターや測定的手法を用いた教材開発については、想定以上に開発が進んでいるものの、実際の教育現場での効果検証ならびにその効果の発表が十分でなく、次年度以降の重点的取り組みが必要である。 想定以上のものと不十分なものがあり、全体としてはおおむね順調といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
3Dプリンターや測定的手法を用いた教材の開発と改善を一層進めるとともに、そのノウハウの蓄積と整理図る。また開発した教材については、実際の教育現場においてその効果を検証する。 なお、小学校における個別の教育的ニーズについては、平成29年度から附属小学校長に就任したことを利用し、より積極的な研究を推進したい。
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Causes of Carryover |
主として、人件費の使用が当初計画をを下回ったことによる。3Dプリンターの運用補助を計画していたが、ほとんど補助の必要がなく、データ整理のみで済ませることができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ものつくり教育に関する情報収集ならびに打ち合わせのため、熊本大学への出張に充てる。
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