2018 Fiscal Year Annual Research Report
A supportive teaching program and remote teaching for children with difficulties in reading and writing
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16K01071
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
雲井 未歓 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (70381150)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 学習障害 / 学習困難 / 読み書き / 語彙判断課題 / 早期予防的支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、読み書きに困難のある児童のための、学習支援プログラムの開発と効果検証を目的とした。今年度は、前年度までの結果を考慮して実態把握手続きの組織化を図るため、①漢字単語における語彙判断作業成績と担任教師による遅読判断との関連、②4~6年生における説明文の読み取りの特徴について検討した。またこれまで整備してきた支援教材の効果を検証するため、③低学年読み困難事例に対するひらがな指導、④通常学級でのひらがな単語読みの促進教材の効果、⑤コンピュータの通信機能を用いた遠隔学習支援について検討を行った。①では小学生2~6学年の1211名を対象に調査を行い、語彙判断作業課題が低成績(10パーセンタイル以下)で読みテストが非低成績である場合を、流暢な単語読みの困難として把握できることが指摘できた。②は2~4年生244名を対象に検討し、単語読みの流暢性が説明文の読み取りの重要な要因となることを確かめた。また、文章読解の理論モデルを考慮して課題を作成したことにより、読解過程での困難の要因を把握できることを示した。③では、ひらがなの読みの習得に強い困難を示す小学1年生児童において、音韻操作課題による指導により音韻ルートによる単語読みが安定した経過を確認した。④では、2年生と3年生115名を対象に、語彙判断作業課題を中心に構成したプリント教材を10回にわたって学級内で一斉に実施し、単語読みの流暢性に著明な効果を認めた。⑤では学習障害の事例を対象に、漢字単語の読みの流暢性を語彙判断課題により指導し、対面による指導と類似の効果を確認した。指導においては、指示や反応の仕方が単純な課題を選択することが重要であることが指摘された。また、事前に対面指導を行い指導者とのラポールや学習方法への適応が図られていることも重要と考えられた。
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Research Products
(6 results)