2016 Fiscal Year Research-status Report
ヘッドマウントディスプレイを活用した拡張現実型化学実験学習支援システム
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16K01072
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
岡本 勝 広島市立大学, 情報科学研究科, 講師 (30453210)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 教育工学 / 学習支援システム / 拡張現実感 / モバイル端末 / 無機化学学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、実施研究計画上必要となるシステムのプロトタイプシステム開発を中心に行った。まずヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いた拡張現実(AR)型無機化学学習支援システムとしてスマートフォンを基本デバイスとして用いたプロトタイプシステムの実装を行った。このシステムでは実験器具や化学薬品などと一対一の対応を持つ机上のマーカを認識して、撮影した実際の映像に関連するCGを重畳表示できる。その重畳表示した映像はマーカ同士のインタラクションをもとに実験を進めることができる。さらにこのシステムの外装は頭からかぶるデバイスにスマートフォンを取り付けておりHMDとして用いることで、目の前に実際にCGが存在しているように実現できている。またスマートフォンの通信機能を活用し複数端末間でも仮想的な実験状況を共有できるアルゴリズム及びプロトタイプ機能の実装を行った。この結果により、高等学校などの化学実験では一般的となる複数人での実験も実現できた。 次に、実際の実験器具をユーザーインタフェース(UI)として活用する可能性をさぐるため、実際の実験器具にマーカを取り付けた形で、マーカではなく実際の実験器具そのものを操作するインタフェースの実装を行った。この方法を実現するために、被験者によるCGと実際の実験器具間の対応関係の違和感などを実験的に評価し、大部分の被験者にとって適切と言える投影比率やCGの透過率を検証した。さらにプロトタイプシステムの実装を行い、本UIの利用可能性を評価実験を通じて確認した。 また、バーチャルリアリティ(VR)技術を用いたHMD型無機化学学習支援手法のプロトタイプシステムの実装も行った。VR型のプロトタイプシステムの実現のため適切な操作が行えるデバイスとそれを用いた場合の仮想実験インタラクションの考案およびプロトタイプシステムの実装を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた内容はほぼ実現できたため上記理由とする。 また、今年度以降に行う予定だった研究計画も一部実現できいている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の想定計画通りに今年度は、理論化学分野への適用可能性に関する研究と、関連するユーザーインタフェース(UI)の検証開発を実行していく。UIについては昨年度の研究において一部実現できている部分もあり、想定していた計画については特に問題なく行える可能性が高くなっている。また関連して当初は今年度に行う予定だった無機化学実験内容の拡張もいくつか行えているため前倒しで実現していく予定である。
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Causes of Carryover |
想定していた性能購入においてリニューアルなどの理由により想定より工学となっていた反面、検証評価実験において当初想定していた有償実験を行う必要がなくなったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画として最終年度に想定していた検証評価実験を逐次実施していく予定であるため、必要となる記録保存デバイスなどの購入を実施する予定である。
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