2020 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of Teaching System for Traditional Back-Lining Process: Technique, Knack, Judgment for Japanese Scrolls of Cultural Properties
Project/Area Number |
16K01088
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
後藤 彰彦 大阪産業大学, デザイン工学部, 教授 (50257888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 由佳 大阪産業大学, デザイン工学部, 講師 (90626368)
黒田 孝二 京都工芸繊維大学, 伝統みらい教育研究センター, シニア・フェロー (90780859) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 技の定量化 / 動作解析 / 眼球運動解析 / 教授システム |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、形式知化された熟練者の技の教授による妥当性についての検証を行なった。さらに、熟練者や非熟練者に対して専門的な知見に関するヒアリングを実施した。作業現場において、非熟練者を中心として、肌裏打ち作業を実施した。その際、正面方向からと横方向からビデオ撮影を行なった。これらの動画を閲覧しながら、現場の代表者と意見交換を実施するとともに、非熟練者および熟練者へのヒアリング内容について検討を行なった。そこで、非熟練者における各工程での動きは、飛躍的に上達されていた。また、作業中に発せられた言葉の中に、対象としている和紙に塗布した古糊の状況を的確に捉えて、作業を進められる内容が含まれていた。これにより、非熟練者は作業における気付きとその解決策について、心得られており、対応できるようになっていることが明らかとなった。ヒアリングの主な項目については、現場の代表者に事前連絡しておき、非熟練者、熟練者および代表者に協力いただいた。形式知を得たことにより、非熟練者の作業に対する気付きや着眼点の変化について検証した。また、非熟練者の考えに対して、熟練者は、どのようにコメントなされるのか、ということに着目した。非熟練者への質問項目は、作業前に心掛けた事項等である。熟練者への質問項目は、非熟練者の全体の作業に対するコメントなどである。そこで、非熟練者は、すべてのことに気を配り、作業を進めるよう心掛けておられるとのことであり、さらに、経験を重ねたことにより、非熟練者自身の中で、「問題解決の手続き」が成立されているとのことであった。一方、熟練者は、非熟練者に対して、上達されているとのことを伝えられていた。以上のことから、熟練者の技術を定量的に可視化し、作業現場での技術向上のための教授システムの妥当性が明確化された。
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Research Products
(1 results)