2018 Fiscal Year Annual Research Report
Verification of the effects of the teacher-education programs introduced flipped learning and counseling practices with Simulated Parents for child abuse prevention and child-rearing support.
Project/Area Number |
16K01092
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
笠原 正洋 中村学園大学, 教育学部, 教授 (10231250)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 児童虐待防止 / 保育者養成教育 / 反転学習 / 模擬養育者 / プログラム評価 / 個別支援計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
保育場面において虐待など福祉や医療保健の問題を抱えた子供や養育者を支援する保育専門職をいかに養成するのか。本研究課題は,これまで開発した児童虐待防止活動の教育プログラムのコンテンツを統合・改定し,エンゲストロームの探求的学習理論に基づき,教授効果をより高める教授様式,すなわち反転学習と模擬養育者(SP:Simulated Parent)の導入の効果を検証し,保育者養成教育への一般化へ向けた取り組みを目指す。 保育士志望学生(57名)を対象に平成29年度に実施した反転学習用テキスト(91頁)とSP(1名)による効果検証に基づき,最終的に平成30年度に保育士志望学生(59名)を対象に改訂した反転学習用テキスト(127頁)とSPs(9名)によるプログラムの効果検証を行った。効果検証は,プログラム実施前から実施後にかけての相談観や不安感,児童虐待防止活動に関する自己効力感の変化,そして事後に実施した児童虐待防止や子育て支援に関する知識テスト,子供と保護者の模擬事例提示による事例の読み取りと個別支援計画案の策定に対するルーブリック評価である。 分析の結果,相談観は予想通り指導役割意識が有意に低下し,連携,称賛や解決の構築を重視する相談観が有意に向上した。また不安感も有意に低下した。児童虐待防止活動に関する自己効力感も予想通りの方向に変化を示した。知識テストの結果から教授様式導入の効果が顕著に認められた。導入前の達成率80.9%(対照群48名)に対し,導入後の平成29年度97.6%,平成30年度93.7%だった。子供の模擬事例の読み取りと個別支援計画案は平成30年度に成績が向上した。しかし,保護者の事例に関しては有意な効果は認められなかった。保育者養成教育へ一般化するためには,テーマ単位毎に教授機能と学習者の学習ステップを架橋する教授形式の調整が必要であると考えられた。
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