2018 Fiscal Year Research-status Report
格差を前提としたケアの倫理による情報倫理の発達段階の評価指標の策定と評価
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16K01101
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡部 成玄 北海道大学, 情報基盤センター, 名誉教授 (70169134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布施 泉 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (70271806)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 情報倫理 / ケアの倫理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,格差を前提としたケアの倫理から出発した情報倫理の発達段階の評価指標を確立すること,また,当該指標を従来の正義から出発したものと照合した上で,統合的な情報倫理の発達段階を定め,各段階に応じた情報倫理教育の学習効果を国際的な文脈の中で多角的に評価し,学習者の発達段階を評価し,次の発達段階へと導くために効果的な教材開発を同時に行うことを目的としている。 本研究では,学習者の発達段階を考慮し,社会的文脈に応じて適宜改良可能な教材を用いた教育手法を開発するとともに,発達段階を踏まえた効果的な教材活用法,発達段階の評価体系の検討など,総合的な見地から情報倫理教育の研究を推進する。 平成30年度は,研究代表者及び研究分担者が著者の一人として「情報倫理デジタルビデオ小品集7(大学ICT推進協議会が企画・制作)」を新たに開発し,それらのビデオクリップにおいて,ケアの倫理の発達段階を評価するに適切な教材の有無とその効果的な活用方法について検討を行った。さらに,国際的な文脈の中での多角的評価に焦点を当て,大学の一般情報教育において留学生を対象とした教材について検討を進めてきた。また,韓国高麗大学校教育大学院教授の金子美氏,韓国放送大学教授の金龍氏らと,情報倫理の発達段階についての研究打合せを2019年2月18日~2月19日の日程で行った。これらを踏まえ,最終年度に向けてケアの倫理の視点を活かした教材開発と評価を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
やや遅れている。 「展開・修正期」として,留学生に対する情報倫理教育についての成果を論文にまとめるとともに,韓国の学生の発達段階について研究交流を進めているものの,「最終実践・評価期」の段階まで進められていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
延長した最終年度であり,研究計画における「最終実践・評価期」の段階に進める。具体的には,教材開発を進め,開発教材を学習者に適用し,発達段階の評価を行う。特に国際化の観点では,韓国高麗大学校の金子美先生(教育大学院コンピュータ教育専攻教授),韓国放送大学の金龍先生とともに,日韓の学生を対象として,情報倫理教育の発達段階の検討を行う。2019年9月に韓国訪問についても計画をしている。
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Causes of Carryover |
理由: 本研究の研究者は,大学ICT推進協議会が提供している情報倫理ビデオ教材の制作に関わっている。2018年度は大学ICT推進協議会で,情報倫理ビデオ教材の新版を制作したため,当該教材のケアの倫理としての位置づけを優先した。また,2018年9月6日の胆振地震によるデマ流言の事例から情報格差に応じたケアの倫理の教材の再考の必要性が生じた。そのため、留学生及び海外との研究交流を先に進め,これらの状況をふまえ,本科研における教材開発を最終年度に移動させ,本研究にとって,より効果的に教材開発と評価を行うこととした。 使用計画: 国際的な文脈を踏まえ対象学生に応じた教材を31年度前半に開発し、評価を行うことを目標に準備を進めている。
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