2018 Fiscal Year Research-status Report
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16K01112
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
小澤 友彦 国立天文台, 水沢VLBI観測所, 特任専門員 (00423252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾久土 正己 和歌山大学, 観光学部, 教授 (90362855)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 全天画像 / 全天カメラ / 位置校正 / 投影法変換 / ソフトウェア |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度までに全天画像において位置校正を行う基本機能を確立し、WEBサービスとしての開発を完了している。H30年度は、位置校正された画像に対して投影法の変換を行うソフトウェアの開発を行った。 元となる全天画像は、画像の中心がおおむね天頂となる半球(空)が映し出されている。全天画像の投影法には様々なものがあるが、デジタル一眼レフカメラのレンズでは現在等立体角投影が多く採用されている。そこで今回は等立体角投影の画像を対象とした。出力される画像は、一般的なカメラレンズで撮影されたような画像とする為、投影法は心射投影を採用した。また心射投影の場合、半球全てを変換し描くことはできない為、一部分を切り出すものとした。なお、変換前ならびに変換後の投影法は式の変更にて他の投影法にも対応可能である。 開発したソフトウェアはプログラミング言語のJava言語にて記述した。Windows、Mac、Linuxなど多様な環境に対応しているためである。現在は、基本的な機能を実現するメソッド(関数)と実行に必要な入出力を備えたコマンドラインで実行するプログラムとして完成した。全天画像の撮影に用いられるデジタル一眼レフカメラの高精細化に伴い、処理速度の向上を目的として、マルチコアに対応した並列化を採用した。処理速度は、6000x4000ピクセルの元画像から1500x1500ピクセルの画像を切り出すのにおよそ2秒ほどを要する。現時点では、並列化に伴う前処理に要する時間が大きいため、並列化による効果は見られない。今後、並列化の方法を検討し、有効性を高める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主たる目的のうちの1つである位置校正については、WEBサービスとして開発を完了している。 もう1つとなる投影法の変換については、基本となる投影法変換にかかわるコードの作成を完了し、高速化を目的とした並列化を実装した。また実行環境として、コマンドラインプログラムとして実現している。目的とする投影法の変換プログラムは完成したが、コマンドラインプログラムは教育系ユーザに適したものとは言えず、また並列化の実効性を高め高速化を図る。 また以上の普及啓蒙を目的としたチラシの作成や配布は未実施である。 主著者の異動に伴う職務内容の変更が遅延の主な原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
現職における位置校正サービス用WEBの再開を、インターネットセキュリティ等について検討し、可能な限り再開を目指す。 投影法変換ソフトウェアは完成したため、まずは利用法などのマニュアルの作成と配布による普及啓蒙を行う。 普及啓蒙を図るとともに、コマンドラインプログラムは教育系ユーザに不向きと考えられ、GUI(グラフィカルユーザインターフェース)の導入によるユーザインターフェイスの向上を目指す。また並列化の実効性が見られないため、並列化のアルゴリズムを精査し、有効性を高めることを検討する。
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Causes of Carryover |
主たる研究者の異動に伴い職務内容の変更が発生し、結果多忙となり研究の進捗が遅延したため。 研究目的の主たる技術確立と開発は終了しており、周知に向けた普及啓もう活動を使用計画の中心として行う。具体的な内容としては、チラシの作成や配布であり前期に内容の検討を行い、後期にデザインと印刷の予定である。
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Research Products
(1 results)