2018 Fiscal Year Research-status Report
双方向型多言語学習ウェブシステムの構築に向けて:多面的な実践によるパイロット開発
Project/Area Number |
16K01128
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
湯山 トミ子 首都大学東京, 人文科学研究科, 客員教授 (60230629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 明延 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (10234155)
藤本 かおる 武蔵野大学, グローバル学部, 准教授 (20781355)
篠塚 麻衣子 首都大学東京, 人文科学研究科, 客員研究員 (90782805)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | モバイルアプリ / 双方向音声学習機能 / 多言語 / Wave中国語“游” / Wave“游” / 小游 / e-learningシステム“游 / 音声学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度からの研究、開発成果である多言語モバイルシステム「Wave“游”」の継続開発と多言語連携学習システムについての考察研究を行った。「Wave“游”」は、日英中三言語統一プラットフォーム異教材により構築されている。中国語版「Wave中国語“游”」は、AppleとGoogleの無料ソフトとして初年度2016年度より公開し、コンテンツの拡充を続けている。さらに、今年度は、LINE-Bot「友達機能」による個人送信クイズアプリ「小游」を制作会社と共同開発し、湯山・篠塚担当授業の履修者に提供し、SNS・PC・モバイルによる連携学習を試み、その成果を発表した。日本語・英語版は、言語学的特徴と対象学習者のレベル、ニーズが異なるため、独自の試作教材を組込み、試用者の声も汲取りつつ、改善点と課題を検討した。多言語学習については、共通コンテンツによる共通教材の策定、多言語連携係学習の効果と可能性、言語習得能力の取得と育成などの研究方向について考察研究を行った。 〔本年度の研究会等の概要〕 ①4月17日:各言語班の年度計画と課題に関する討議、中国語班湯山による日英中駆動型DB(DDL)に関する先行研究の紹介と報告、今後の研究開発と活動日程の策定。②5月23日:2017年度開発の仕様の反省と改修についての討議、中英日三言語共通教材の候補コンテンツの選定。③6月27日、7月10日、25日:今期のシステム開発の内容、機能についての討議、検討。統一プラットホーム共通教材による多言語学習システムの構想、構築展望、教育システム情報学会での共同報告についての討議。④9月3日:多言語連携学習システムと教材についての研究討議。⑤9月25日:多言語連携学習、多層的多言語学習、誤答分析などについての討議。⑥3月13日:今期開発のWaveアプリの開発研究総括、来年度以降の研究計画について等を討議した。(研究会計9回)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多言語学習アプリのパイロット開発として、統一プラットフォーム異教材の試作基礎を実現した。統一プラットフォーム共通教材については、討議を重ね、基本構想と基本設計、運用による成果、展望などを考察し、多層的多言語連携学習システムを目指す基本案をまとめることができた。システムそのものの開発は、本プロジェクトの開発費用では、実現することが困難であるため、次期研究活動プロジェクトとして、継続的に発展、展開していくことが求められる段階と位置づけられる。
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Strategy for Future Research Activity |
多言語学習は、一般に学習者が複数言語の習得を目指す学習活動として認識されているが、多くの場合、学習者が習得目標言語と一対一の対峙関係をもつ構図で理解されやすい。言語学的に言えば、母語と習得対象となる異言語(外国語)間の言語学習、もしくは母語以外の言語による異言語(外国語)習得のための言語学習として、習得言語ごとに構築される個別の学習活動として認知されている。しかし、学習者自身の内部では、一異言語を学ぶことにより育成される言語習得能力は、言語ごとに分断されず、対象言語の増加、拡充(多言語化)にともない、正負の影響を生み出しながら、持続的、発展的に蓄積されていく。本プロジェクトでは、多言語学習による言語習得能力の獲得と蓄積、これにともなう思考の拡充、発展に着目し、多言語学習活動に対する新たな考察視点を構築することができるものと期待している。さらに、言語習得能力の連携性を高める効果的、効率的なシステム構築の在り方、適正なシステム補助についての考察も重要課題となる。今期のプロジェクトでは、統一プラットフォーム共通教材のシステム開発を実現し、考察を進めることは、費用的に困難である。そのため、本プロジェクト最終年度は、適正なシステムの構築と効果的な学習理論など、理論面から考察を進め、多言語学習の新たな展開、統一プラットフォーム共通教材による多言語連携学習の研究をさらに進化、発展させることを目指していきたい。
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Causes of Carryover |
当該研究課題の記録媒体として使用していたUSBメモリが破損し、修復作業を委託中である(2018年11月)。USBメモリの修復は、記録媒体としての特徴から、修復のための解析に時間を要し、年度内の作業終了が困難となった。研究活動の記録、研究成果の活用に、データの修復が重要かつ必要なため、補助事業期間の延長を希望した。本年度は、修復が完了できる見通しが得られているため、修復費用として使用する計画である。
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Research Products
(10 results)