2018 Fiscal Year Research-status Report
潜在成長モデルを用いた大学のICT利用変化を規定する要因の分析
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16K01130
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
稲葉 利江子 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (90370098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 靖彦 放送大学, 教養学部, 准教授 (10392292)
田口 真奈 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 准教授 (50333274)
高比良 美詠子 立正大学, 心理学部, 教授 (80370097)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高等教育 / ICT利活用 / 悉皆調査 / 潜在成長モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、大学におけるICT技術支援体制の経年変化の平均的なパターンを推定した.技術支援体制の充実度を点数化し,潜在成長モデルで分析を行った結果,技術支援体制が2010年度で低いほど,技術支援体制のそのあとの伸びが大きいことと,技術支援体制の切片(初期値)と傾き(経年変化)には大学間でバラツキがあることがわかった.さらに,どの要因が技術支援体制の切片と傾きにバラツキを生んでいるのかについて条件付き潜在成長モデルや多変量潜在成長モデルを適用し分析を行った.その結果, 機関充実度が2010年度で低いほど,技術支援体制の5年間の伸びが大きいこと,機関充実度の伸びは技術支援体制の伸びと連動していることが示された.また,技術支援体制の伸びに影響を与えやすい機関充実度は,⑥効果測定の反映度,⑪推進組織の有無,⑫予算確保の有無,⑬人材確保の有無と⑭効果測定の有無のように実体性を伴った支援であることが明らかになった. さらに,上記の分析においては,大学事務局への調査項目から,技術支援体制と機関充実度との関係性の分析を行ったが,学部研究科への調査項目にあるICTをどのように利活用しているのかのICT活用量を加え,三変数で分析を行うことにより,大学におけるICT活用推進の要因を追求すべく,分析をすすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の内,前半の成果について論文にまとめ,投稿を行っているところである. さらに,その発展として,学部研究科の調査項目からICT活用量の定義を行い,分析をすすめているところである.
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度(令和元年度)は,これまでの成果をまとめ発表を行うと共に,ICT利活用が成功している機関のより詳しい傾向や各項目との因果関係を明らかにし,モデル化していきたい.
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Causes of Carryover |
研究の進捗より、1年の期間延長を行うことにしたため、国際会議での発表および論文誌への成果発表を想定したため。
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Research Products
(9 results)