2020 Fiscal Year Research-status Report
実社会と連続性を有するコミュニケーション能力の学修のためのプログラムの開発と評価
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16K01142
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Research Institution | Kyoto Notre Dame University |
Principal Investigator |
平野 美保 京都ノートルダム女子大学, 国際言語文化学部, 准教授 (40631411)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コミュニケーション能力育成 / 学修プログラムの開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、実社会と連続性を有するコミュニケーション能力向上のための学修プログラム(以後、学修プログラム)を開発し評価することを目的としている。 前年度、この学修プログラムの特徴に関する分析の一部が完結しなかったため、2020年度は引き続きそれを分析し、これまでの分析結果と合わせ、学修プログラムの特徴をまとめた。その結果、各科目の学習内容を中心に、知識、技能、態度において、学修者自身が自己課題を認識し主体的に多様に獲得していく点が、学修プログラムの主な特徴と考えられた。 また、本学修プログラムと実社会での有用性について検討するため、この学修プログラムを1年次から受講し就職活動を終えた4年次生3名に対し、半構造化インタビュー調査をし質的に分析をした。その結果、人前で話す、書く、統合的な学習に関することが意義として浮上した。人前で話す練習を多様な内容・方法で繰り返してきたことから、緊張感ある就職活動においても、冷静に状況を判断してコミュニケーションをとっていくことが推察された。書くことについては、基礎を基盤にした応用練習が、就職活動へのスムーズな移行に結びついていくことが推察された。統合的な学習については、特に、「ラジオ番組制作」において、聴取者視点で企画から生放送番組制作まですることから、学修者は、「学びの集大成」という認識を持ち、望ましい音声言語行動への意識の変化に結びつくことが考えられた。このように、受講時からある程度時間が経過しても、受講時に獲得したことを就職活動でも応用していくことが推察された。引き続き縦断的に調査を継続し、この学修プログラムが実社会に資するものになっているか学修者の認識面から評価していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度(2016年度)に、学修プログラムをさらに検討する必要が出てきたため、一時、研究実践及びデータ採取を見合わせた。それに伴い、本研究の性質上、その遅れを取り戻すことは困難であるため、その遅れの分、2020年度も、当初の予定よりもやや遅れた状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでの成果を報告するとともに、学修者の就業後の認識についても、引き続きインタビュー調査を実施する。また、国内外でのコミュニケーション能力育成に関する動向の把握に努める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍に伴い、学会発表等に出張の経費が使用されなかったことや、本研究調査がやや遅れていることから、次年度使用額が生じた。次年度は、日本各地に居住している卒業生のもとにインタビュー調査に行くこと、また、国内外のコミュニケーション能力育成に関する状況を把握するのに使用していく計画である。
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