2018 Fiscal Year Research-status Report
災害薬事コーディネーター育成のためのeラーニング学修支援システムの構築
Project/Area Number |
16K01146
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
江川 孝 福岡大学, 薬学部, 教授 (70369023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 稔展 福岡大学, 薬学部, 准教授 (20630718)
島田 憲一 就実大学, 薬学部, 准教授 (00509268)
高見 陽一郎 就実大学, 薬学部, 講師 (10500473) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | VR / 災害医療 / e-learning |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、災害医療におけるセルフメディケーション・トリアージのe-learningを開発することに加え、e-learningと連携したPBL型演習により災害時に適切な医療が提供できる人材育成を強化するものである。計画している具体的な研究項目は、①災害時セルフメディケーションのためのセルフメディケーション・トリアージの開発とe-learningへの展開②バーチャルリアリティ(VR)技術による体験型e-learning 教材の作成③e-learningによる反転授業を導入した災害時の臨床推論のための演習方略の構築、④モバイル型e-learningでのVR教材の応用と評価、の4つである。 本研究は災害医療における医薬品のトリアージシステムを開発してe-learningと融合させる基礎的研究を完成し、e-learningによって災害時に適切な医療が提供できる人材を育成するための基盤となる研究を行う。 研究期間内には以下のことを明らかにする。①災害時セルフメディケーションのための一般用医薬品トリアージを開発し、e-learningコンテンツへ発展させて整合性を検証する、②VR技術による体験型e-learning 教材を作成し、PBL型演習に用いる医療シナリオとe-learningコンテンツを連携させて有用度を検証する、③e-learningによる反転授業を導入した災害時の臨床推論のための演習方略を構築し、e-learningによる学修補完の効果を測定する、④クラウドコンピューティングを導入したモバイル型端末でのe-learningにおけるVR教材の効果的な学修方略を開発する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究計画では、①災害医療現場をVRで擬似的に再現し、学習者の臨床推論能力を醸成するアクティブラーニングのためのe-learningコンテンツの開発と②PBL型教育プログラムによるアクティブラーニングへのVRによる体験型e-learningによる介入と有機的統合の、2つの研究を並行して行う。申請者は、これまでe-learningを基盤として医療人育成のための教育に応用する研究を行ってきた。本研究では、災害医療を志向する薬剤師の人格涵養を図り、災害時に適切な医療を提供するための臨床推論能力の開発をVRによる体験型e-learningと連携したPBL型教育プログラムで行い検証する。 2018年度までに申請者らは、災害時の問題点を再現したVRによる体験型e-learningの有機的なコンテンツを作成し全国で開催されている災害薬事研修プログラムにて検証を行い、その学修効果について調査を継続している。また、本研究にて、臨床推論のためのセルフメディケーション・トリアージのアルゴリズムを開発して1次トリアージおよび2次トリアージをそれぞれe-learningコンテンツとして連携させることを検討した結果、セルフメディケーション・トリアージのアルゴリズムを薬学部の学部教育に導入することができた。これらの研究計画を継続している。2018年度では、薬学部での演習にPBL型フィジカルアセスメント演習を補完するe-learningコンテンツをWeb上で展開し、学習者全員によるフィードバックを教員がファシリテーターとして介入して臨床推論能力の習得を促進させることができ、学習者から高い評価が得られた。しかし、演習プログラムに対する学習者の満足度測定の解析やモバイル端末からアクセス可能なe-Learning環境の整備が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年5月に開催されるWADEM2019及び2019年6月に開催されるACCP2019にて研究成果を報告する予定である。
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Causes of Carryover |
申請者らはこれまで、全国で開催されている災害薬事研修にてVRを活用したe-learning教材を提供し、その学習効果に ついて測定を行ってきたが、年々発災する自然災害での被災状況をコンテンツに取り込むことで研修の実施に遅れが生 じていた。しかし、2019年度に開催されるWADEM Congress 2019およびACCP2019にて、これまでの成果を報告する機会を得たので研究成果報告のための学会参加費・旅費を次年度(2019年度)に使用する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Book] 災害薬学2019
Author(s)
江川 孝
Total Pages
232
Publisher
南山堂
ISBN
978-4-525-77761-6