2017 Fiscal Year Research-status Report
大学生に育成すべき「グローバルな視野」育成のためのマルチメディア教材開発
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16K01149
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Research Institution | Kansai Gaidai College |
Principal Investigator |
笠井 正隆 関西外国語大学短期大学部, 英米語学科, 准教授 (90510735)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | グローバル教育 / インストラクショナルデザイン理論 / メディア教材 / 問題解決型学修プロセス / 学びの可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度では、メディア教材を活用して「グローバルな視野」を獲得するためのモデルコースをインストラクショナルデザイン理論(ADDIEプロセス)の分析(Analysis)とデザイン(Design)の段階を経て構築した。そのモデルコースは、研究代表者の所属する教育機関で「グローバルな視野」を育成する「グローバル教育コース」(90分レッスン・15レッスン)で反転授業を活用する授業形態となった。平成29年度の研究内容は、この平成28年度の分析・デザイン結果を受けて、当初の目的通りADDIEプロセスの開発(Development)段階、つまり反転授業のeラーニング教材として「グローバルな視野」の各中心要素の内容をテキスト化した「地球市民として」(英文版のタイトルは”Living as a Global Citizen”)を3種類のメディア(テキスト・音声、テキスト、音声)形式で作成した。そしてそのメディア教材をオープンソースの学習管理システム(LMS)のMoodleに日本語版と英語版としてそれぞれ実装(Implementation)した。現在どちらも「ゲストとしてログイン」し当該メディア教材にアクセスが可能である。同時に、対面授業で使用できる15レッスン分の教材や資料もMoodleにアップロードし、本授業実践を希望する教員への資料として保存した。但し、これらの教材や資料は教員のアカウントからログインする必要がある。次に、開発した3種類のメディア教材の内容や稼動状況を連携研究者(現:研究協力者)の森田健宏氏と共に検証し、必要な改善を施した。 加えて、前年度のグローバルな問題を解決するプロセスの可視化研究で浮き彫りとなっていた課題に対処するために、従来の指導方法に改善を加え、それを実際の授業で実施ならびに効果検証を行った。その結果、改善した指導方法によって受講者はグローバルな問題に対してより当事者意識を持ち、解決のために他力本願ではなく自身が起こす行動をより多く探求しており一程度の効果が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
前年度はグローバル教育を効率的、効果的、そして魅力的に実践するための反転授業で使用するメディア教材(eラーニング教材)と対面授業で使用する教材・資料をMoodleに実装できた。また、前年度の課題であったグローバルな問題への当事者意識の希薄さと他人頼りの解決方法に関しては、その指導方法を改善する形で実施しその効果がみとめられた。これらは平成29年度で予定されていた研究内容であった。加えて、eラーニング教材実装が予定よりも早く完了したため、当該メディア教材を活用した反転授業を実際のコースで試用する機会も得られ、その反転授業における学びの効率、効果、魅力検証を実施し、それぞれ概ね肯定的な結果であった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、平成30年度ではインストラクショナルデザイン理論(ADDIEプロセス)の最後の段階である「評価」(Evaluation)に入る。つまり、LMSであるMoodleに実装したメディア教材を活用して反転授業を実践し、その反転授業の評価つまり学びの効率、効果、魅力検証を予定している。しかし、前述の通り昨年度に当該目的の試験的研究が実施できたので、今年度はその研究から明らかとなった課題を踏まえて教育手法や教材の改善を施した上で実践を行い、より高い効率、効果、魅力の確保を目標とする。
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Causes of Carryover |
(理由)研究の進捗状況に問題は無く、次年度使用額が生じた理由としては、物品等を安価な販売店から購入したり、またハワイで開催された国際学会での発表参加に伴い為替変動が生じたりした結果である。 (使用計画)当初の研究計画に対して、科学研究費が国費であることを鑑み、引き続き支出の面では安価な物品購入に努める。また、日本語だけでなく英語によるメディア教材を作成することができた。従って、当初の予算内で両言語のメディア教材を活用した反転授業実践ならびにその授業の効率・効果・魅力検証が可能な状況であるため予想以上の成果を挙げられると考える。
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Research Products
(6 results)