2016 Fiscal Year Research-status Report
複数校横断型教育プログラムの異なる観点から学習者の気づきを促すeボードの開発
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16K01151
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Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
千田 和範 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (30342562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 孝文 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (20141856)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 問題解決型学習 / 協調学習 / 学習支援教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで行なってきた小学校向け複数校参加型のPBL学習プログラムにおいて,実験記録の取り方により試行錯誤型実験の展開に大きな違いがでてくることがこれまでの研究より分かっている.そこでこの差異を改善するため,試行錯誤型学習の学習過程の記録をICT機器により簡単かつ効率よく行うことができるシステムの開発を行なうことが本研究の目的となる. 本システムは,これまで実施してきたPBL学習プログラムで用いてきたアイデア/実験まとめシートの反省から,これまで手入力していた実験諸元などの様々な情報を自動的に収集することを目的としている.そのため,条件や物性値などをあらかじめ記録したRFIDタグを用意し,使用する実験材料に貼り付けておく.このタグをeノートに搭載されたRFIDリーダにかざす事で諸元を取り込める様にした.また事前に用意することが難しい実験値については,手書き入力,キーボード入力など各種方式を検討した結果,児童でも扱いが難しくないキーボード入力を採用した.あわせて事後検討に用いることも考慮し,製作物の画像も取り込む機能も付加した.このように得られた各種データは,あらかじめ設定したXMLフォーマットでシステムに記録し,再利用可能とした.また試行錯誤過程の利用を想定し,性能改善の目安となる物理特性を画面上に表示できるようにもしてある. このシステムを実際に運用した結果,児童は性能改善の目安となる物理特性でグループ化し試行錯誤の作業計画に改善効果が見られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は「入力インタフェース」,「XMLデータ化と蓄積」,「データ表示と出力」が大きな開発目標となっている. 入力インタフェースについては,RFID入力,文字認識入力,画像入力,キーボード入力など各種入力方式を検討した結果,RFID,画像,キーボード入力を採用した.その効果も実際の運用によって確認している. XMLデータ化とデータ蓄積については既に実装を行なっている. データ表示と出力については,表示はシステム上に小形モニタを搭載することによって実現している.一方,出力については使用する印刷機によって挙動が異なってしまったため,使用する機器に依存しない方法に変更を考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は前年度運用時の学習過程の映像記録の解析や小学校教諭からの聞取りからeノートの改良点を抽出する.特にハードウェアを含めた入出力インターフェースとXMLデータの扱いは学習効果に大きな影響を与える部分のため,重点的に検討する予定である. なお,28年度にシステムトラブルによるデータ欠損が起こったため,ネットワーク通信機能を付加し,遠隔監視も視野に入れた実装を検討していく.またこの方式によりデータの一元管理も付加する予定である.これによりシステムの機能の追加や修正が他の連携校に即座に反映できるため, 遠隔地の学校も視野に入れた利用規模の拡大が期待できる. H28年度の運用結果から,学習過程の系統図,つまり知識の伝播がどのように行なわれているかを可視化できる見通しができた.これにより教師側が学習者を指導するタイミングや内容を支援できる可能性がある.今回は手動で系統図を作成したが,これを自動化できるかどうかも合わせて検討する.
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Causes of Carryover |
購入予定物品が想定していた額より安価に納入されたことと,また2017年3月下旬に行なった学会発表分の旅費が4月支払いとなったため,残金が発生した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残金は今年度のシステム改良の部品購入に利用する予定である.
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Research Products
(6 results)