2018 Fiscal Year Annual Research Report
Historical researches on the making and using of visual images of science, technology, and medicine
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16K01158
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 毅彦 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90237941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 祐理子 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (30346051)
吉本 秀之 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (90202407)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 科学史 / 技術史 / 顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年になり、科学技術医学史諸分野における図像の利用について精力的に研究され、それら多数の事例研究を総括する研究もなされている。本研究計画では、それらの内外の研究も参照しつつ、参加者が専門とする領域で研究を進めたものである。主として検討したテーマは、レーウェンフックの顕微鏡観察研究、その後の19世紀に至るまでの顕微鏡観察研究の系譜、またカメラオブスクラや写真などの光学関連技術の歴史などである。 2018年度は、5月に開催された科学史学会年会でシンポジウムを企画し、そこで本プロジェクト参加者の橋本、吉本氏、田中氏を含む4名で研究成果の発表をした。また7月にはケンブリッジ大学の楠川幸子教授を招き、研究プロジェクト参加者とともに国際研究集会を開催し、その後2回の定例の研究会を開催した。 これらの研究会で田中氏は主としてレーウェンフックの顕微鏡観察に関して一次史料を丹念に参照しながら観察営為と画像製作に関する検討と解釈を提示してくれた。橋本は、レーウェンフック以降の18世紀と19世紀の顕微鏡観察の系譜を、海外の歴史研究を参照しつつ追いかけたが、それらの成果はそれぞれ『化学史研究』に論文と総説として発表された。また7月の研究会では、田中氏のレーウェンフックに関する研究発表とともに、橋本が18世紀英国の解剖図譜に現れる図像とその製作に関わった版画家について調査結果を発表し、吉本氏は17世紀の原子論の系譜とそこで表現される図像についての検討の成果を発表したが、同研究会に参加してくれた楠川氏が各発表に対して適切なコメントを与えてくれ、各参加者の今後の研究に対する有益なヒントを提供してくれた。 これらの研究成果を元に、学会発表や学会誌での論文等の発表とともに、2019年度からも引き続き、科学技術医学の文献に現れる図像の歴史について研究プロジェクトを始めているところである。
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Research Products
(9 results)