2018 Fiscal Year Annual Research Report
Broadcast speech of lifelong learning facilities created with the persons with higher brain dysfunction who have difficulty understanding verbal sounds
Project/Area Number |
16K01196
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
三谷 雅純 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (20202343)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高次脳機能 / 聴覚認知 / 多感覚統合 / 情報アクセス / 災害情報 / 生涯学習施設 / 公共交通 / 公共放送 |
Outline of Annual Research Achievements |
高次脳機能障がい者の内、聴覚失認者にはどのような緊急災害放送が認知しやすいかを探るため、2016年度~2017年度は肉声への非言語情報の付加に注目して視聴覚実験を行ってきた。その時、録音した肉声と肉声に注意喚起のためのチャイム(NHK 緊急地震速報の報知音)を付加した災害放送では、聴覚失認者にチャイムの有無が十分認識できない人がいた(三谷, 2018: 福祉のまちづくり研究 20: 13-23, OA, J-STAGE)。同時に、聴覚失認者に多感覚統合がどのように作用しているかを調べれば、聴覚失認者に認知しやすい放送を類推できる可能性に気が付き、多感覚統合に絞った視聴覚実験を行い人工的な統合条件でも有効であることを確認した(三谷, 2017: 人と自然 28: 11-19, OA, J-STAGE)。 2018年度は、現在、日本で使われている多くのチャイムでも同様のことが当てはまるのかどうかを、6種類の緊急災害警報に使われているチャイム、日常使われている警報やチャイム、対象音としてチベットベルの音を使って調べた。この実験はチャイムの注意喚起音としての有効性を調べることが主な目的であり、言語音の聞き取り能力が低い被験者の存在を考慮して、課題には言語音を避け簡単な記号の暗記と一桁の足し算・引き算を解いてもらった。 この視聴覚実験の結果、障がいの軽い人と中・重度の人の間で顕著な差が表れ、現実に使われているチャイムでも認知の低いものが複数あった。このような認知の低いチャイムだが、2回目に聞くと認知できるようになるものがあった。 予定していたワークショップでは、高次脳機能障がい当事者会でこれらの知見をできるだけ当事者に分かりやすく伝え、質疑応答をした。
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Research Products
(8 results)