2018 Fiscal Year Research-status Report
野外計測と風洞実験によるメガリップルの形態・動態特性と形成条件の解明
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16K01219
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小玉 芳敬 鳥取大学, 農学部, 教授 (50263455)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メガリップル / 風洞実験 / 飛砂量計 / 飛砂の空間分布 |
Outline of Annual Research Achievements |
メガリップルの縦断面形が下に凸になる理由を探ろうと考え、飛砂量計を購入し風洞実験を試みた。ただし、購入したセンサーのプローブサイズを考慮すると、細~中砂の飛砂カウントには適するものの、ポリプロピレン粒子の計測には不向きであった。そこで、細~中砂のみを用いて植生マウンドを模擬し、その下流部への影響を調べるアナロジー実験に取り組んだ。飛砂量計を砂面から5cmおきの高度別に設置し、それらを縦断方向に移設することで、飛砂の鉛直・縦断分布を調べた。その結果、マウンドの成長に伴い、風下側で下に凸型の侵食形態が再現されるケースが確認された。このときマウンドを飛び越えた通常より高い位置に飛砂粒子が多数観測された。これらはより速い風速で加速された高エネルギーの飛砂粒子となる。これらが落下して砂面に衝突することで、下に凸の形状を作り出す要因であることが分かった。 粗粒子が集積して形成されるメガリップルの凸部は、同様に飛砂粒子の軌跡をより高位に持ち上げ、高エネルギーの飛砂粒子を生じさせると考えられる。これらの飛砂が下流側の砂面に衝突することで、下に凸の侵食形が発達すると推察された。 残りの課題は、メガリップルの峰部がほぼ高さを変えることなく、下流にゆっくりと移動するメカニズムを明らかにすることである。表面にはポリプロピレン粒子が確かに集積するが、その下位を形成する細~中砂の挙動を観察により明らかにする必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
附属小学校長の併任となり、実験に使う時間が圧倒的に制限された。そのため試行錯誤の実験時間が少なく、浅い考察にとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度から附属中学校長の併任となり、時間制約は致し方ない状況である。明らかに遅れだした研究計画を、仮にゆっくりであっても、着実に一歩一歩進めていきたい。 メガリップルの形成に関する最終確認実験を実施し、デジカメによる記録から、メガリップル成長過程をデータ化し、論文にまとめる。
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Causes of Carryover |
管理職に就いたことで、明らかに研究推進速度がスローダウンした。最終年度を迎えるにあたり、メガリップルを再現できた実験の、再確認及び最終計測を実施する。 投稿論文を作成する時間を何とか捻出し、この夏には仕上げ、投稿まで進めたい。
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