2018 Fiscal Year Annual Research Report
Tectonic geomorphology of coastal area along the Ryukyu Arc based on the topographic anaglyphs from detailed digital elevation models covering Inland and Seafloor
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16K01221
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
後藤 秀昭 広島大学, 文学研究科, 准教授 (40323183)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 変動地形 / 数値標高モデル / 海底地形 / 海成段丘 / 南西諸島 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,海底と陸上の詳細な地形データを用いて海陸を統合したステレオ画像を作成し,変動地形を読み解くことを通して,南西諸島沿岸域の地殻変動様式を検討することを目的としている。 平成30年度は沖縄島の北端から西北西約30kmの伊是名島とその周辺を対象に,沿岸部の陸上と海底の地形の情報を作成・収集し,統合した数値標高モデルを作成し,1枚の画像で海陸を判読できる地形アナグリフや地図を作成した。 陸上地形については,国土地理院のカラー空中写真をSfM-MVS技術を用いたソフトウェア(Agisoft社 PhotoScan Professional 1.2.6)に取り込み,数値表層モデル(DSM)を生成して分析に用いた。一方,海底地形の情報は,1)海上保安庁の取得したマルチビーム測深データ,2)JAMSTECのデータ探索システム「Darwin」から収集したマルチビーム測深データ,3)(財)日本水路協会発行のM7020の等深線データ,4)海上保安庁の500m間隔のデータ(J-EGG500)を用いた。 これらを統合して作成した地形アナグリフを変動地形学的な手法で判読したところ,西北西―東南東方向に延びる活断層が陸上から海底に連続して延びることが新たに解った。地形の特徴から正断層と考えられ,沖縄島の北の島棚を横切る活断層と同様の走向,変位様式であった。 伊是名島は東西約4km,南北約4kmの小規模な島であり,変動地形はこれまで報告されていなかった。孤立した小規模な島が分布する南西諸島などでは,最終氷期の地形が観察できる沿岸海底を含めて地形発達を検討することで広域的で連続的な変動地形が確認できるようになる可能性があることが示されたと考える。
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