2018 Fiscal Year Research-status Report
東京大都市圏都心および郊外における夫婦共働き世帯の生活時間に関する研究
Project/Area Number |
16K01222
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
矢部 直人 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (10534068)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 生活時間 / 時間地理学 / 都市地理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
東京大都市圏の都心部および郊外に居住する主婦について,フルタイムで就業する主婦に限定して生活時間の比較を行った。これまではフルタイムとパートタイムを分けずに分析を行っていたため,より正確な比較をすることができた。その結果,睡眠時間や家事時間は郊外の方が都心と比べて短いことが分かった。また,郊外の方が都心よりも通勤に時間がかかるためか,移動時間が長かった。郊外の方が都心と比べて時間の制約が厳しいことがうかがわれる。また,夫と妻の家事分担をみると,全体的に都心の方が郊外よりも夫の家事分担が多い。特に差が大きいのは,朝食の用意,夕食の用意,夕食の後片付けである。夕食の用意に関しては,郊外で夫が分担している割合は0%である。これは,夫の仕事時間が長いこと,それに加えて通勤時間が長いことが影響していると考えられる。これらの時間が長いために早めに家に帰ることができず,夕食に関わる準備や片付けを分担することができないと推測される。この点が,主婦の生活時間を制約する一つの条件になっていることも予想される。郊外における就業機会が増加して通勤時間が短くなっていることも考えられるが,調査対象のサンプルに関しては,妻の生活時間のみならず,夫の生活時間に関しても,郊外の方が制約が多いことが示唆された。今回の分析結果は,特に郊外においてサンプル数が少なかったことがあり結果の解釈には慎重にならざるを得ないが,今後はサンプル数を確保した調査を試みたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
都心と郊外の生活時間の比較を実施することができ,生活時間の地理的な差異を明らかにすることができた。しかし,郊外の調査対象地域を多摩ニュータウン内に限定したためサンプル数が少なくなり,分析結果の信頼性には留保が必要である。この点を今年度の調査の課題としたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度は都心と郊外のフルタイム就業主婦の比較を行ったが,パートタイム就業主婦の比較も行う。ただし,サンプル数が少ないことが懸念されるため,サンプル数を確保できる地域を設定して,調査を実施することも検討する。また,夫の生活時間についてもアンケート調査を実施し,都心と郊外の比較を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
すでに実施ずみであったアンケート調査のデータを再分析することを優先したため。この再分析により課題が明らかになったため,補足のアンケート調査を翌年度に実施する。
|
Research Products
(4 results)