2020 Fiscal Year Annual Research Report
An analysis of timeuse of dual income households living in central Tokyo and the suburbs
Project/Area Number |
16K01222
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
矢部 直人 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 准教授 (10534068)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 都市地理学 / 時間地理学 / 生活時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
1990年代後半以降のいわゆる都心回帰現象により,東京都心部で生活する世帯が増えた。都心では郊外と比べて職住近接となるため,郊外とは異なる生活の特徴がみられることが予想される。この生活の特徴を明らかにするため,本研究は夫婦共働き世帯に注目して都心と郊外の生活時間の特徴を分析した。 分析には,NTTドコモポイントクラブ会員を対象とした既存のデータおよび,本研究で独自に実施したWebアンケート調査の結果を用いた。なお,以下では,夫婦とも正規雇用の共働き世帯のうち,18歳未満の子どもがいる世帯についての結果を述べる。 まず,通勤時間,就業場所への出勤・退勤時刻,家事時間を検討した。通勤時間は,夫については予想通り都心の方が短い一方,妻については都心と郊外で夫ほどの差はみられなかった。出勤・退勤時刻については,都心の夫は郊外の夫よりも遅めに出勤し,遅めに退勤する傾向があった。都心の妻に関しては郊外の妻よりも遅めに出勤していた。家事時間のうち自炊の頻度については,都心と郊外で差はみられなかった。次に,都心の夫の出勤・退勤時刻が郊外よりも遅い点について検討した。都心の夫は郊外よりも朝の子どもの送迎を分担していることが多く,このことが都心の夫の出勤時刻が遅い要因の一つと思われる。また,サンプル数が少ないため結果の解釈に留意が必要であるが,都心の夫の方が夕食の用意を分担している割合がやや高かった。これらの結果から,都心と郊外を比べると,都心の方が通勤時間が短いことにより,夫の家事・育児の分担がやや大きいことが示唆される結果となった。
|
Research Products
(2 results)