2017 Fiscal Year Research-status Report
インド東海岸ゴダバリ・クリシュナデルタの形成と人類の活動に関する地形学的研究
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16K01225
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
久保 純子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (90275967)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インド / クリシュナ・ゴダバリデルタ / マングローブ / 国際地形学連合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はインド東海岸ゴダバリ・クリシュナ両デルタならびにその間に位置するコレル湖地域の完新世地形変化と人類の活動の関わりを明らかにすることを目的とする。 本研究は、①アンドラ大学で保管しているボーリングコアの観察と分析、②ALOS衛星画像の分析による微地形判読、③浜堤列・旧河道の抽出と現地調査(土地利用現況を含む)、④地形精査とサンプリング、⑤考古データの収集・整理などによりすすめる計画である。 前年度までにアンドラ大のK. Nageswara Rao教授らとともに行ったゴダバリ・クリシュナデルタ地域のマングロ-ブ林の変化に関する調査結果は、Geographical Review of Japan Ser. Bに受理・公表された(2017年12月)。その内容は、1970年代・1990年代・2000年代・2013年の衛星画像の分析によりマングローブ林の分布の変化を示し、その結果、伐採や養殖漁業によるマングローブ林の減少と、1990年代以降の植林活動による復元の状況を明らかにした。さらにマングローブ林再生のためのeco-restorationの手法を示し、マングローブ林の保全に対するリモートセンシングの有用性を明らかにしたものである。 このほか、2017年度は11月にインド、デリーで開催された国際地形学連合に参加し、デカン高原(ゴダバリ・クリシュナ川上流部)の巡検に参加した。そこではアンドラ大学以外のインドならびに各国の研究者と意見交換を行った。 このほか、K. Nageswara Rao教授らとともに完新世におけるクリシュナデルタの発達に関する論文を別の国際誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度はデリーで開催された国際地形学連合に参加したが、本務の都合(授業期間)のため、途中参加・途中帰国であった。上記のほかに年度内にアンドラ大学訪問、クリシュナデルタにおける現地調査を計画していたが、本務ならびに国内における各種業務のため、再度のインド渡航が叶わなかった。 しかしながら、前年度までの研究成果を国際誌Geographical Review of Japan Ser.Bに公表することができた点は大きな前進といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年は対象地域における現地調査を実施し,可能なら年代測定データを入手して分析を依頼する。また、衛星画像の分析による地形分類図の作成を継続して行う。
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Causes of Carryover |
2017年度は本務等の都合で現地調査を行うことができなかった。このため調査費ならびに試料分析の予算に余剰が生じた。このため、2018年度には現地調査や必要資料の購入、分析依頼を行う予定である。
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Research Products
(2 results)