2020 Fiscal Year Research-status Report
インド東海岸ゴダバリ・クリシュナデルタの形成と人類の活動に関する地形学的研究
Project/Area Number |
16K01225
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
久保 純子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (90275967)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | デルタ / 堆積物 / 遺跡 |
Outline of Annual Research Achievements |
「インド東海岸ゴダバリ・クリシュナデルタの形成と人類の活動に関する地形学的研究」 本研究はインド東海岸ゴダバリ・クリシュナデルタを対象に、微地形分布と堆積物の分析によりデルタの形成史を明らかにするとともに、遺跡分布から人類の活動史を追跡し、地形条件とデルタの開発・居住に関する地形学的研究を行うことを目的とした。 当初は2016-2019年度の4年間を予定していたが、2020年に入り新型コロナウイルスによる感染症の世界的蔓延で予定していた出張ができず、1年間の延期を申請した。また、2019年度より山口大学貞方昇名誉教授の助言を得て、流域の人間活動がデルタ形成に与えた影響を堆積物の分析から考察するモデルケースとして、広島県太田川を対象とした研究をはじめ、2020年度は太田川の研究をすすめた。 太田川上流の豊平高原における砂鉄採取による地形改変の影響が認められ、下流の広島デルタへの影響が予想されることから、広島デルタの地形と既入手の堆積物分析を行うこととしたが、2020年度も引き続き新型コロナウイルス感染症による影響で、予定していた太田川の調査が2021年3月下旬となり、新規入手試料の分析等は積み残しとなった。 2020年度は、インド東海岸の海水準変化に関する論文とクリシュナデルタの地形変化に関する2本の論文が国際誌に掲載され、また太田川上流域の砂鉄採取による地形改変に関する論文が刊行された。太田川下流デルタの形成に関しては日本地理学会で中間報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度末に予定していた山口大学貞方昇名誉教授との打ち合わせを新型コロナウイルス感染症の影響で延期したが、2020年度には影響はさらに深刻となり、貞方名誉教授の上京は不可能となった。広島での現地調査実施は2021年3月末となった。また、2020年8月にトルコで開催予定であった国際地理学会議は1年延期となった。
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Strategy for Future Research Activity |
流域の人間活動がデルタ形成に与えた影響を堆積物の分析から考察するという研究の方向性は維持することができた。今回着手した広島県太田川を対象とした研究を継続するとともに、今後もゴダバリ・クリシュナデルタや東南アジアのメコン川流域などで同様の研究をすすめていきたい。
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Causes of Carryover |
2020年度に山口大学貞方昇名誉教授を招き、東京で研究打ち合わせを実施の予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響で実施できなかった。2021年3月末に貞方名誉教授と広島で調査をおこない一部を使用したが残額が生じた。2021年度は出張以外に使用する予定である。
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Research Products
(7 results)