2018 Fiscal Year Research-status Report
空中写真を活用したラオス山村における土地利用と森林被覆の変化に関する研究
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16K01227
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
中辻 享 甲南大学, 文学部, 教授 (60431649)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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Keywords | 土地利用 / 森林被覆 / 焼畑 / 航空写真 / Corona衛星写真 / ラオス / 東南アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は本研究課題に関わる成果を発表することができた点で意義深い。まず、ラオス北部の一地域の1945-2011年の約70年の土地利用変化を明らかにした論文、Land use and land cover changes during the Second Indochina War and their long-term impact on a hilly area in Laosを、査読付きの国際学術雑誌であるSoutheast Asian Studiesに投稿し、12月に掲載が確定された。本論文の最大の意義は、これまであまり明らかにされてこなかった、第2次インドシナ戦争(ベトナム戦争:1960-1975年)の時期の土地利用変化を明らかにしたことにある。この時代、ラオス全土で人口移動が多く見られたことはよく知られている。本稿はこうした人口移動が結果的に人口の移動先で森林破壊を起こし、40年経った現在でも森林は戦争前の状況まで十分に回復していない事実を明らかにした。このように、第2次インドシナ戦争が、ラオスの森林被覆や土地利用に与えたインパクトは大きく、その影響についてはさらに研究を進めていく必要があることを示した。 近年は国際的にも戦争が土地利用・土地被覆に与える影響を考察する研究がさかんとなっている。しかし、本稿のように古い航空写真を利用して1970年代以前の戦争について考察した研究は少なかった。また、戦争の土地利用・土地被覆へのインパクトを長期的に考察した研究もほとんどなかった。その意味で、本論文は画期的である。本論文は令和元年中に掲載される予定である。また、本論文の内容は、8月にカナダのケベックシティーで開催された国際地理学連合の地域学会でも発表した。 さらに、本研究に課題のもう一つの目的である、東南アジアの航空写真の標定図整理に関しても、進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果を国際学会で発表し、査読付きの国際学会誌への掲載が確定した。国際的な場で研究成果を発表できた。また、東南アジアの航空写真の標定図の整理作業に関しても進展が見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、論文の執筆や国際学会での発表に力を入れたため、調査のための渡航を十分に行うことができなかった。そのため、補助期間の延長を申請し、受理された。令和元年には、フィールド調査のためのラオスへの渡航、航空写真調査のためのアメリカ合衆国への渡航に力を入れる予定である。
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Causes of Carryover |
平成30年度は、論文の執筆や国際学会での発表に力を入れたため、調査のための渡航を十分に行うことができなかった。そのため、補助期間の延長を申請し、受理された。令和元年には、ラオスの研究対象地域で、70年間の土地利用・森林被覆の変化に関するさらなる調査を進めるため、ラオスでの現地調査を実施する予定である(8月と2月)。また、ラオスなど、東南アジアの航空写真の調査のため、アメリカ合衆国のワシントンDCに渡航する予定である(8月)。そのための渡航費用と航空写真の購入費に科研費の残額の大部分を使用する予定である。
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