2019 Fiscal Year Annual Research Report
A research on long-term land use and land cover changes in hilly areas of Laos utilizing aerial photography
Project/Area Number |
16K01227
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
中辻 享 甲南大学, 文学部, 教授 (60431649)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2020-03-31
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Keywords | 土地利用 / 土地被覆 / 森林 / 焼畑 / 航空写真 / コロナ衛星画像 / ラオス / 東南アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究成果の第一は、ラオス北部の対象地域(ルアンパバーン県シェンヌン郡)における土地利用と森林被覆の1945年以降の変化を解明する作業を進展させたことである。ラオス山地部の航空写真からは、集落と焼畑などの土地利用とそれに伴う森林被覆の変化が詳細に読み取れる。東南アジアの山村の森林被覆状況は過去にさかのぼるほど不明瞭である。しかし、森林被覆の変化を長期的観点から考察することで、過去に豊かであった森林が近年、山地民の焼畑によって破壊されたという一般的な見解がどれほど正しいかが明らかにできる。航空写真から目視判読で土地利用や森林被覆を分類する作業は時間がかかるため、この作業は未だ完了していないが、現段階でも、1945年の時点から対象地域には叢林や草地が大部分を占めており、森林はそれほど多くなかったことなど、興味深い事実が明らかになりつつある。 また、研究成果の第二としては、8月にワシントンDCの国立公文書記録管理局で航空写真を収集したことにある。具体的には、今後調査を進めようとしている、ラオス北西部のルアンナムター県およびボケオ県の航空写真を収集した。この航空写真は1945年のものであるが、たいへん鮮明な画像であり、ルアンパバーン県シェンヌン郡の調査地と合わせて、20世紀中頃のラオス北部の森林被覆の状況を明らかにすることができる。 研究成果の第三としては、ルアンパバーン県シェンヌン郡の対象地域での1990年代以降の土地利用の変化について、これまでの自身の研究成果をもとに、英語論文にまとめたことである。これは、科研費課題番号16H01963の成果として出版することになった図書の一章にあたるものであるが、本研究の内容にも関わるものであるので、挙げておきたい。
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