2017 Fiscal Year Research-status Report
ユーラシア大陸中北部を移動する低気圧の構造変化と降水の特徴
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16K01228
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Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
木村 圭司 奈良大学, 文学部, 教授 (30294276)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 気候 / 降水 / ユーラシア大陸 / 季節変化 / 経年変動 / 水蒸気フラックス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ECMRFによる客観解析データを使って、ユーラシア大陸中央部、特にカザフスタン東方からモンゴル西方における降水の発生する気象条件を明らかにした。さらに、この地域における降水分布には、山脈の位置がかなり大きなウェイトを占めていることがわかったことから、詳細な気象分布を再現するために領域気象シミュレーションWRFを用いた解析を開始した。 解析には、事例解析を多く取らなければならないが、現在、夏季における典型事例の解析を進めている。大局的にみると低気圧・前線は東に進むが、細かくみると北東や南東に進むこともあり、500hPaでみられる偏西風波動によるところが大きい。一方で、切離低気圧が停滞しても降水量が増えない事例もみられ、水蒸気の供給も大きな要因であることがわかりつつある。 研究対象地の主要な地域をなすカザフスタン共和国で現地調査を行った。カザフスタンでは、モンゴルや中華人民共和国西部にほど近い旧首都アルマティを中心とした。現地では、カザフスタン国立図書館における文献調査、アルファラビ名称カザフ国立大学地理環境学部における情報交換会および出版局の訪問を行った。また、現地調査として、アルマティ東部の乾燥地やアルマティ南部の山地を訪問し、数値解析によって明らかにした地形による降水量の多寡を確認した。 アルファラビ名称カザフ国立大学地理環境学部では気候学が重要な位置を占めており、国内研究の蓄積も多いことがわかった。今後、現地で入手した論文(ロシア語)等を解読・検討し、本研究の裏付けとしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ECMWFのデータ解析及びWRFによるシミュレーションなどは順調に進んでいる。また、今年度には現地調査も行うことができ、現地の文献も入手できたことから、最終年度に向けて順調に進んでいると言える。ただし、論文の執筆は、学内業務が多忙であり、予想していたエフォート時間どおりの時間を取ることができなかったことから、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに解析を行った図表を整理し、論文化していくことが最重要の課題である。このためには、十分な研究時間を確保することが必要であり、学内業務の効率化を検討したい。
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Causes of Carryover |
学内業務のため、現地調査の日程が限られ、予定していた旅費が余った。次年度には国際会議の発表のため、海外旅費を使用する予定である。
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Research Products
(4 results)