2017 Fiscal Year Research-status Report
科学生産の動的過程に関する数理モデリングと国際比較実証研究
Project/Area Number |
16K01235
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴山 創太郎 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 研究員 (30609285)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 知識生産 / 科学技術政策 / 知識人材育成 / イノベーション・システム |
Outline of Annual Research Achievements |
大学や研究開発企業において営まれる「知識生産」は現代知識社会の基盤を形成している。先進諸国の科学技術政策は知識生産の促進を目的として数々の施策を試みてきたが、多くの政策は近視眼的であり、特に知識生産を支える知識人材の長期的な育成の視点に欠けている。学術的にも同様の問題が存在し、知識生産と人材育成を整合的に説明する理論の構築が必要とされていた。かかる現状を踏まえ、本提案では「知識生産」と「知識人材育成」の動的過程を統合的に理解することを通じて、科学技術政策への示唆を提供することを目的とする。
本研究計画は、(A)数理モデル構築、(B)国際比較調査、(C)ビッグデータ解析、(D)政策分析の4要素から成る。まず数理モデルを構築し、同モデルを検証するために海外を含めた複数国における研究機関・知識人材を対象にしたフィールド調査・質問票調査を実施する。加えて、より長期的な動学分析を目的として、知識生産活動に関連する独自のデータベースを構築し、国際比較調査データと合わせて計量経済分析に利用する。さらに、広範なステークホルダに対するインタビュ調査を実施し、政策課題や将来の政策オプションを把握し、具体的な政策シナリオをシミュレーションすることによって政策効果を予測し、政策提言に繋げる。
初年度には日本・英国・ドイツの国際比較を目的とした質問表調査を実施し、3カ国5分野の大学研究者2,300名よりデータを収集した。更に、日本国内の研究者については、より一般的な分析を目的として関連情報を各種公開/商用データベースより収集した。さらに、政策動向・ニーズを把握する目的で、大学・政府機関の担当者を対象としたインタビュー調査を実施した。二年度目には、初年度に収集したデータを統合し、得られたデータを用いて計量経済分析を行った。さらにフィールド調査を継続し、計量経済分析モデルを再構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度には日本・英国・ドイツの国際比較を目的とした質問表調査を実施し、3カ国5分野の大学研究者2,300名よりデータを収集した。基礎的な分析を行い、その成果を国際学会にて報告した。更に、日本国内の研究者については、より一般的な分析を目的として関連情報を各種公開/商用データベースより収集した。さらに、政策動向・ニーズを把握する目的で、大学・政府機関の担当者を対象としたインタビュ調査を実施した。二年度目には、初年度に収集したデータを統合し、得られたデータを用いて計量経済分析を行った。さらにフィールド調査を継続し、計量経済分析モデルを再構築した。以上は概ね、当初の計画通りの進捗である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度前半にはフォローアップの質問表調査を実施の予定である。以上により全てのデータが揃う。これを踏まえ、全データを用いて計量経済分析を再度実施する。最終的なモデル、実証分析結果を国内外の学会・論文に報告すると共に、政策レポートを別途出版する。
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Causes of Carryover |
予定していた追加質問表調査を3年度目に先送りしたため。同調査は3年度目初めに実施する予定である。
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Research Products
(6 results)