2016 Fiscal Year Research-status Report
太陽光発電の普及を考慮した都市形態と交通システムの最適化の研究
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16K01238
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
應 江黔 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (30242738)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 都市形態 / 太陽光発電 / 土地利用 / 住宅面積 / 交通システム / 自動車保有 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、太陽光発電の普及が地域・都市に与える影響を考慮し、望ましい都市形態・交通システムを形成するための政策についての体系的な最適化の手法を開発することが目的である。H28年度において、都市経済学に基づく分析を進め、土地利用の一形態としての太陽光発電が居住にどのような影響を与えるか、都市域の拡大または縮小の方向に作用するかの理論的条件を考察した。これに対応して、近年の太陽光発電の普及が、実際に都市形態と交通システムにどのような影響を与えてきたか、気候条件の差異を特定しやすい市町村(約600)単位(東京は区単位)の地域について、調査分析を進めた。所得などの経済状況を示す変数や人口密度などの変数をコントロールして、太陽光発電の普及前の時期(2003~2007)から普及開始後の時期(2009~2015)への住宅の面積の変化率、1人当り乗用車保有率などは、日照時間の長さと有意に相関しているなどの結果を得た。現段階では、日照時間の長い地域は太陽光発電システムの普及を通じて、比較的に広い面積の住宅の選択が促され、間接的に自動車保有の増加も促されている実態を明らかにした。人口が集中し、鉄道を主な交通手段とする大都市と、分散型エネルギーと自動車交通に適した小都市という都市形態の両極化の傾向を考慮した都市・交通政策の必要性を示唆している。本年度はまた、太陽光発電の普及に伴う電力系統の課題などを調査し、土地利用・交通モデルにこられの要素を如何にふくめるかを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
太陽光発電が都市に対する影響の実態解明および太陽光発電システムについての各国の動向や課題などの把握に時間がかかり、土地利用・交通モデルによる数理解析がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
理論分析や実態分析などの成果を土地利用・交通モデルに取入れながら、都市形態の両極化の動向も考慮し、数理解析を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額5円が生じたのは、最終の物品購入の価格が予算額より5円少なかったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度の予算に合せて、資料購入に使用する予定である。
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