2016 Fiscal Year Research-status Report
プロジェクトを成功に導く見積りと遂行体制・契約方式の研究
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16K01252
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
石井 信明 神奈川大学, 工学部, 教授 (40406426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 祐一 専修大学, ネットワーク情報学部, 准教授 (40602959)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | プロジェクトマネジメント / 見積工程 / 見積精度 / 競争入札 / EPC契約 / 受注産業 / リスクマネジメント / 見積案件選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、プロジェクトを成功に導くために、プロジェクト立ち上げ前に費用とスケジュールを予測する見積りプロセスの効率化、プロジェクト遂行のリスクを最小化するための見積精度に応じた遂行体制と契約方式の設計を目的としている。すなわち、上流段階における要求仕様化の研究と、遂行段階におけるプロジェクトマネジメント研究の狭間でこれまで見逃されて来た管理技術の研究として、①見積り計画立案手法、②プロジェクト遂行体制と契約方式の設計について、研究開発を行う。 平成28年度は、見積り計画手法について、上流段階の要求仕様が含む情報の不確実性を前提とした見積りプロセス管理の要件について検討し、プロジェクトコスト見積りモデルを作成した。その上で、見積案件に投入する見積工数と見積期間が見積精度を決定し、遂行段階のリスク要因に影響することを前提に、動的に到着する見積案件それぞれに対し、遂行段階のリスクと便益のバランスを実現する見積案件の選択と見積工数の割り当て方法を検討した。それらの有効性を示すために、見積プロセスのシミュレーションシステムを開発し、見積り工数割り当て、および、見積案件選択ルールの性能比較を行った。また、プロジェクトの遂行体制と契約方式の設計については、基礎的な情報の収集と、数理モデルの設計、予備的検討を行った。 これらの成果は、Proceedings of the 6th International Conference on Simulation and Modeling Methodologies, Technologies and Applications、神奈川大学 工学研究所 所報、月刊ロジスティクス・ビジネス、国際ロジスティクス学会日本支部フォーラム、日本オペレーションズリサーチ学会、情報システム学会などで公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題としている、「①見積り計画立案手法」、「②プロジェクト遂行体制と契約方式の設計」について、平成28年度の研究計画をほぼ遂行できた。「プロジェクト遂行体制と契約方式の設計」については、シミュレーションモデルの開発に多少の遅れがあるが、基礎的な情報の収集ができたため、大きな問題はないと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の研究から得られる知見に基づき、見積り計画手法の詳細化をおこなう。また、プロジェクト遂行体制と契約方式の設計について、実務における事例の収集を行いながら、設計の評価を行うためのシミュレーションモデルの設計を進める。
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Causes of Carryover |
シミュレーションモデルの製作・実験を次年度としたため、差額が出ました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度、シミュレーションモデル作製・実験に研究費を使用する予定です。
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