2017 Fiscal Year Research-status Report
商品特性を考慮したハイブリッド型物流センターの設計
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16K01258
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
伊呂原 隆 上智大学, 理工学部, 教授 (60308202)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 物流センター / オーダーピッキング / 商品特性 / ロジスティクス / 最適化 / 数理計画法 / 倉庫オペレーション / 商品分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
「クロスドック型」商品の効率的な仕分けと出荷を実現するための数理計画モデルの構築とその解法に関する研究を行った.「クロスドック型」商品は原則として物流センター内で在庫することができないため、出荷タイミングに合わせた入荷スケジュールの立案が重要となる.特に注意しなければならないのは,入荷した商品の「仕分け」と仕分けされた商品をトラックへ積載する「出荷ドックの割当」の決定である. 本研究では大規模な物流センターを想定し,入荷した商品を出荷エリアごとに仕分けるための「シュート」から「出荷ドック」までの「総運搬時間」と,一定量以上の商品が一箇所に滞留した場合に生じる生産性低下を考慮するための「過負荷ペナルティ時間(増加作業時間)」の合計である「総作業時間」を目的関数として設定し,その最小化を試みた. 提案するモデルは線形混合整数計画問題として定式化され,小規模問題においては数理最適化ソルバーで最適解の導出が可能だが,現実規模の問題においては実行可能解の導出に非常に長い時間を要してしまう.実務上は一定時間内に解を導出しなければならないことが多いため,短時間で妥当な解を得るための近似解法を提案した.本研究では,生物の進化過程を模した遺伝的アルゴリズムをベースに局所探索法を組み合わせた新たな近似解法を提案しその求解性能を検証した. 提案モデルでは,総運搬時間を増加させることによる滞留ケース数の平滑化や滞留時間の重ならないような店舗割り当てを行うことにより,単純に総運搬時間を削減するモデルよりも出庫エリアの混雑緩和を考慮した良い解を導出することができた.提案解法では小規模問題においては90%以上の確率で最適解に到達でき,大規模問題においても従来手法と比べて大幅に良いパフォーマンスを発揮することができた.また,事例研究では実用規模の問題でも妥当な解が得られることを確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
応募内容ファイルに記載した通り,平成28年度には在庫型商品の効率的ピッキング方法に関する研究,平成29年度にはクロスドック型商品の効率的な仕分け、出荷の方策立案に関する研究を行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を踏まえ,今後は商品仕分けを含めた「ハイブリッド型」物流センター全体を対象として,研究の総括を行いたい.
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Causes of Carryover |
(理由) 学内での役職の関係上,出席しなければならない会議が大変多く,予定通りには国際会議等に出席できなかったことが主たる理由である.
(使用計画) 今年度は本研究の最終年度となるので,これまで以上に国際会議,国内会議に出席し,研究成果を発信していきたい.
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