2016 Fiscal Year Research-status Report
集団と個体のインタラクションのある場合の意思決定理論とその実験的検証
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16K01265
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
豊泉 洋 早稲田大学, 商学学術院(会計研究科), 教授 (20315683)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | nonlinear / Markov process / swarm / limit order book / social insect / 公認会計士 / ソーシャルメディア / 情報拡散 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、個体と集団のインタラクションのあるプロセスにおける個体の意思決定問題の解析手法として新たに提案・研究されている平均場ゲームや非線形マルコフ過程を用いた解析手法を、ネットワーク上での情報拡散、生物の集団行動、株取引の3つ実例に応用できるように改良し、実際のソーシャルメディアのデータ、株式市場の高速取引データ、ハチなどの生物の観測データを用いて、その妥当性・応用可能性について実験・検証・改良を行うことを目的とする。
今年度は、次のような成果が得られた。(1)株式市場での注文分布の数学的モデル化とその特性を利用した最適注文方法の考案(Journal of the Operations Research Society of Japan, Vol. 60, No. 2, April 2017, pp. 101 - 109)(2)Nonlinear Markov modelと優先権付き株式市場におけるトレーダーのモデル化とスウォーム行動の発現の予測(日本オペレーションズリサーチ学会春季研究発表会)(3)ソーシャルネットワーク上のPull型情報拡散モデルにおける最適な情報伝播方法(日本オペレーションズリサーチ学会春季研究発表会)(4)公認会計士を目指す学生を対象とした相互作用実験から得られる特性分析(日本オペレーションズリサーチ学会春季研究発表会)(5)社会性昆虫の巣内での行動をモデル化するシミュレータを開発。実際のフィールドワークで得られたデータとの適合性を検証( Mathematical Models in Ecology and Evolution conference, Londonに採択、発表予定)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
理論検討が想定外に進捗した(項目1、項目2)。当初計画にはなかった学生参加型の実験を行い、その分析を行った(項目4)。また、当初の予定通り社会性昆虫の社会構造のシミュレーターを、外部専門家の力を借りながら、作成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、U. of Exceter (Prof. Jeremyらの新しい研究拠点)と連携を行い、さらに個体と集団のインタラクションについて理論面、観測の双方からアプローチしていく。そのために、キーとなる修士学生とともに研究代表者が現地で打ち合わせ、実際の活動への参加を行う。
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Causes of Carryover |
今年度は、シミュレーター用のPC購入などをしなかったため。物品費が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は、今年度の残り金額も利用して、必要な物品を購入する。
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Research Products
(5 results)