2017 Fiscal Year Research-status Report
人工衛星収集船舶情報による北極海航路の現状及び航海シミュレーションへの利用
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16K01276
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
嶋田 陽一 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, 助教 (90455501)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 北極海航路 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度で公開できる研究報告を以下に示す。北極海航路の運航の現状を明らかにするために、人工衛星で収集された船舶情報時系列データである衛星AISを用いて北極海における船舶運航の現状を調べた。北極海の海氷面積が最小となった年で北極海航路が開通する始まりの時期において、北極海航路を航行したタンカーに注目した。海氷密接度とタンカーの航路を比較すると、海氷密接度が低い海域を航行する傾向を示した。海峡付近の海氷密接度が高いと、航行距離の短縮より航路選択の自由度を優先して航行した。一方,東シベリア海の海氷密接度が高い海域でもタンカーは航行しており、このような海域では海峡の通過あるいは迂回を選択する必要がないので海氷状態よりも航行距離の短縮を優先したと考えられる。海氷状態におけるタンカーの速度の影響を調べるために海氷密接度に対する速度減速の推定式を求めた。この推定式は海氷状態に対する速度減速の部分を評価し、海氷状態による航行可能な速度を概ね示しており、今後、北極海航路における航海計画作成等に貢献できると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
衛星AISデータより、北極海航路(ロシア沿岸を経由するヨーロッパから東アジア間の航路)を航行する船舶を見つけ出し、衛星AISからの船速と海氷データと比較して海氷の影響による船速の推定式を算出することができた。船速と海氷状況の関係が高かったことから、波浪状況よりも海氷状況のほうが船速変化に大きく影響を及ぼすことがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度のため、衛星AISデータから求めた船速推定式及び航路ネットワークを用いた高度化した北極海における航路選択シミュレーションの成果を報告し、今後の研究計画を作成する。
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Causes of Carryover |
当該年度では、購入した衛星AISデータを解析することに集中したために学会等における発表活動はしなかった。しかし、当該年度に投稿した論文が次年度に受理され、論文を発表する費用に充てる予定である。また、衛星AISデータが前年度より値上がりしたためにデータ期間を前回に購入した期間より短くして購入した。次年度は、予算次第であるが追加解析のために衛星AISデータを新規に購入する予定である。
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