2017 Fiscal Year Research-status Report
地理的不利条件下の住民の防災とソーシャルキャピタルの活用:長崎市斜面市街地の調査
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16K01289
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中尾 理恵子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (80315267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
全 炳徳 長崎大学, 教育学部, 教授 (10264201)
杉山 和一 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 教授 (80253631) [Withdrawn]
川崎 涼子 大分県立看護科学大学, 看護学部, 准教授 (30437826)
新田 章子 活水女子大学, 看護学部, 准教授 (30457501)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 社会的不利状況 / 斜面地 / 地域防災 |
Outline of Annual Research Achievements |
長崎市内の異なる地域特性(斜面市街地域、商業地域、新興住宅地域、離島地域)の住民に防災とソーシャルサポート、近隣との関係性等に関する自記式質問紙調査を実施した。1525世帯(2939人)に自治会を通じて調査票を配布した。個別毎の郵送法による回収にて、627人から回答を得た(回収率21.3%)。現在分析をすすめているところであるが、利便性が良好な新興住宅地に比べ、商業地や離島部、斜面市街地では独居者の割合が有意に高く、世帯所得は低額者が多い傾向があることがわかった。ソーシャルサポートの状況においても同様の結果であった。比較的利便性がよい商業地は繁華街地区であるため地理的特性とは異なる特性があり(独居者が多く、世帯収入が低い)、社会的な不利状況がある可能性が考えられる。29年度は単純集計の結果をもとに調査地域の自治会ごとの住民説明会を実施した。今後はさらに分析をすすめていき、今年度の公衆衛生学会総会において研究成果を発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に行ったフィールド調査とキーインフォーマントインタビューで構築した地域とのネットワークを活用して住民調査を実施することができた。地域特性の異なる複数地域で調査を実施できたことで、地域特性ごとに住民の防災意識や準備体制の比較を行うことができる。分析も順調にすすめられている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度であり、学会発表、論文での公表を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 住民調査の郵送での回収を料金後納で行い、当初考えていたよりも回収率が低かったために郵送費のコストが削減された。 (使用計画) 今年度、この金額を使用して住民への調査報告書を作成し協力自治会に配布し地域づくりに役立てる計画とする。また、地理的不利条件下での防災の取り組みの先進地域である福島県でのフィールド調査を実施し次期研究に役立てる予定としている。
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