2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K01293
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
脇田 由実 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10590359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中藤 良久 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (10599955)
上田 悦子 大阪工業大学, 工学部, 教授 (90379529)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 会話円滑度 / ピッチ分析 / 笑い声特性 / 高齢者発声 |
Outline of Annual Research Achievements |
【会話データベースの構築】会話特性モデルを構築するための会話データベースの作成を開始.日常の自然な会話の再現を念頭に,高齢者及び若年者の2人1組の3分間自由会話を,音声と動画データベースとして構築.28年度は,高齢者会話55組,若年者会話15組の収録を行い,発声ごとの始終端時間情報,発声種類(通常発声,笑い,ため息,舌打ち,咳ばらい)をタグ付け,各ピッチとパワー分析結果を構築した.動画については,若年者の一部のデータの差分画像解析にて,動作速度と大きさをデータベース化している. 【音響的特性の分析方法の検討】上記データを用い,会話のノンバーバル情報が衰えの指標になることを,以下1.2,の分析にて探り,学会投稿発表を行った.(2件) 1.若年者の発声データを用いて,発声ごとのピッチの平均と分散が,会話の活性度を測定に有効である可能性を示した.但し会話が笑い声を含んでいると,活性度の測定精度が低下するので,笑い声の除去手段も含め提案した. ‐国際学会(The 4th of IIAE2016)にて投稿発表(2016.9).著者:Yumi Wakita, Shunpei Matsumoto. "Communication Smoothness Estimation Using F0 Information" 2.音声ピッチ情報から,高齢者と若年者との会話を判別.高齢者と若年者との会話の特徴を会話音声のピッチ情報を用いて分析し,両者の自動判別の可能性を示唆した. ‐国際学会(HCI2017)に投稿。(2017.2投稿.発表は2017.7予定)著者:Yumi Wakita Shinpei Matsumoto, "F0 Feature Analysis of Communication between Elderly Individuals for Health Assessment".
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・データ構築状況については,100組のデータ収集を予定しており,現状70組のデータを完了している. ・音響的特性分析については,データ分析結果からピッチ情報が会話者の状況や年齢による衰えを推定する指標として有効である可能性を確認できた.動作特性については、動作の激しさ(速度と大きさ)を差分画像にて分析中である. 以上の状況により,データ構築については計画よりやや遅れているが,音響的特性と動作特性の分析状況は順調であり,特に音響的特性分析については指標となり得る可能性のある特性を見つけつつあることから,総合的に概ね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
・データベース構築については,28年度に決めた作成仕様にて継続的に作成予定である. ・音響的特性解析については,有効性を示したピッチ情報について,さらにデータを増加して確認することと,会話の円滑度・活性度や年齢の推定のみではなく,衰えの指標としてどのように使用するかを詰め推定アルゴリズムの構築を行う. ・動作特性については、検討中の差分画像分析に加えて,複数人の動作の同期性を定量化して衰え判断の可能性を探る予定である. ・上記の音響的特性と動作特性との指標の有効性を確認しながら,総合的に判断するアルゴリズムの検討を開始する予定である.
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Causes of Carryover |
・28年度に会話収録のための簡易防音室(予算100万円分)を購入予定であったが, 大学の校舎移転に伴い,新たな校舎に別途の防音室使用が可能となったため,購入を差し控えた。今後は上記新校舎の防音室の防音性能を確認し,購入予定を立てたい. ・大学移転に伴い,予定していた高齢者データベースの収録(予算5万円分分)が2月後半に行えず,人件費が予定金額に達しなかった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
・簡易防音室は新校舎の防音性能などを実際の収録を行うことで確認し,問題なければ使用させて頂くが、仕様に問題があれば、本年度購入を検討する. ・新たな課題として,データ収録とその分析作業が遅れていることが挙げられる.上記簡易防音室を購入する場合でも,費用を見直し,データベース構築のための被験者とデータ構築作業者の人件費に充てたい.
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Research Products
(3 results)