2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K01299
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Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
高木 敏幸 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (30331953)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 北極海航路 / 最短経路 / ダイナミック・ウィンドウ・アプローチ / グローバル・ダイナミック・ウィンドウ・アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は船舶レーダ画像を用いて、現在地点から目的地点まで氷海を安全に航行できるよう最適な海氷上の航路の探索するアルゴリズムの開発を目的としている。先行して行ってきたグローバル・パス・プラニングの一つであるダイクストラ法では、開放水面上にマイルストーンとしてノードを生成し最短航路を探索した。さらに、ダイナミック・ウインドウ・アプローチを用いた航路探索手法を実現した。ダイナミック・ウインドウ・アプローチもダイストラ法と同様にスタート地点からゴール地点までの最短航路を探索する手法であるが、ダイクストラ法では船舶の速度や運動モデルを考慮することが出来ない。一方、ダイナミック・ウインドウ・アプローチは船舶のダイナミックスを考慮し、船舶速度、舵角を制御し航路を探索することが可能である。そこで、本研究では船舶レーダに本手法を適用し、その有用性を示した。さらに、グローバル・パス・プラニングとローカル・パス・プラニングを融合したグローバル・ダイナミック・ウィンドウ・アプローチによる航路探索手法を開発した。ダイナミック・ウインドウ・アプローチは目的地までの距離は評価関数として用いず、船舶と位置と船首の向きを評価関数に用いている。そのため、目的地までの最短経路は保証されない。また、各地点で航路を計算しているため、複雑に氷海が分布している場合、回避が不能になり航路探索が出来ない。そこで、予め航行が可能な開放水面に対してダイクストラ法を用いて、開放水面上に最短でゴールに向かうための船舶の向きと、wave front アルゴリズムを用いてゴールまでの距離を計算することによって、複雑に分布する氷海での航路探索を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は、海氷の分布状態に加えて、砕氷船の能力に応じて氷厚を考慮した航路探索手法を開発する予定であった。そのため、昨年度8月に国立研究開発法人海洋研究海洋研究開発機構の海洋地球研究船「みらい」の北極海の航行において、本研究の推進のため氷海域における船舶レーダの取得装置を装備したが、北極海の航路上には海氷が少なく、船舶のレーダと海氷の厚さの関係を示す有用なデータを採取することが出来なかった。そのため、船舶レーダ画像と氷厚の関係を得られず、砕氷船の砕氷能力に応じた航路探索に至らなかった。そこで、今年度は船舶レーダ画像から画像処理を用いて海氷の密接度を抽出し、密接度における船速を算出し、海氷の密接度に対する船速を考慮した探索手法を開発している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに開発した航路探索手法を用いて、様々な氷海の状況に対してシミュレーションを行い本手法の有用性について検討する。砕氷船はその砕氷能力に応じて、海氷の厚さ、氷状、海氷の密接度の情報を基に航路が選択されている。今年度、国立研究開発法人海洋研究海洋研究開発機構の海洋地球研究船「みらい」によって船舶レーダのデータが取得された場合、船舶のレーダ情報と海氷の厚さを対応付け、本システムに組み込む予定である。さらに、海氷の画像から画像処理によって氷状を抽出し海氷の硬度も考慮する。さらに、引き続き、船舶レーダ画像から海氷の密接度を抽出し、グローバル・ダイナミック・ウィンドウアプローチの評価関数に海氷の密接度を導入した手法を開発する。
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Causes of Carryover |
物品費に関しては、本研究の推進のため船舶レーダの取得装置を装備した海洋地球研究船「みらい」の大規模なデータの解析をするため、高速なコンピュータが必要であったが、昨年度、北極海の航路上において海氷が少なく、有用な船舶レーダおよび氷厚に関するデータが得られず、物品を購入しなかった。また、旅費に関しては、国際会議が日本で開催され、他に当初予定していた国際会議に参加することが出来なかったため、次年度差額が生じている。 物品に関しては、昨年度と同様に本研究の推進のため船舶レーダ大規模なデータの解析をするため高速なコンピュータを購入する。また、旅費に関しては、今年度、国際会議の参加を予定している。
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Research Products
(2 results)