2016 Fiscal Year Research-status Report
ドライバへ権限が移譲された後のドライバ操作に生じる影響評価
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16K01309
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
吉田 秀久 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, システム工学群, 教授 (00332635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 淳也 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, システム工学群, 教授 (10546138)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ドライビング・シミュレータ実験 / ハンドル操舵動作 / 高速走行 / 車両のふらつき挙動 / 生理指標による評価の可能性 |
Outline of Annual Research Achievements |
自動走行実現において必要となる,システム側(車側)からドライバに運転の主権が移動した際の安全性を確保するシステム設計のために,ドライバの状況変化を把握する評価法の構築を本研究課題では目指す.システムの設計要件を明らかにするために,被験者の安全を確保しつつ,実験条件を容易に統制可能な,ドライビング・シミュレータ(DS)による実験を準備検討した.自動走行においてシステム側(車側)は,アクセル動作,ブレーキ動作,ハンドル操舵動作を全て担う.このうちアクセル動作は,その動作が停止する場合に,車体が減速し,運転挙動は安全方向に遷移する.またブレーキ動作は,緊急時に衝突回避ブレーキシステムの動作に移行する.そこで本研究課題ではハンドル操舵動作の権限移譲に実験対象を絞り,高速走行中の動作を検討の対象とした.
直線路を高速走行中の急な操舵は周囲の車両に危険感を与える.後方を走行する車両が違和感を感じる前方を走行する自動走行車両の操舵挙動から,違和感を感じるふらつきの閾値を求める実験を検討した.また,ドライバ自身が能動的に操舵する車線変更操舵と突然の障害物出現に伴う受動的な回避操舵を対象に,操舵前後の生理指標による評価の可能性を実験検討した.近赤外分光法による脳機能計測を実施し,障害物出現を視覚的物体認識として脳活動が活性化することが推測された.
これらDS実験を初期検討し,解析対象のシナリオの検討と,権限移譲のアルゴリズムに関わる予備実験を実施した.そこで権限の移譲でドライバ自身による操舵操作に遷移した際の状況変化について,これらの結果を活用し考察すべく検討を進めていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自身の病気が発見され,それに伴い手術・治療によって,研究課題の遂行が停滞せざるを得なかった.
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Strategy for Future Research Activity |
現在も治療を継続しているが,体力は復調傾向にある. そこで平成29年度は研究課題を遂行すべく,検討課題を以下に絞って研究に注力する.
1)権限を委譲するシステムの設計要件について検討を継続する. 2)路面状況の変化についての評価を検討開始したい.
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Causes of Carryover |
主な要因は「旅費」の決定額が予定よりも下回ったことによる.これは物品費においても同様で,調達要求時の見積金額と調達決定時の決定金額に差が生じることにより発生する.
また本校では間接経費を辞退し,譲渡されない.そのため調達に対する支払い時や旅費などの振込手数料を「その他」の直接経費から支出している.落札業者により振込手数料が異なることから,予め多めに「その他」を留保する必要があるという制度上の要因を有している.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究を加速遂行するため,物品費として有効に活用していきたい
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