2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism of arrhythmia in cardiac ischemia-reperfusion injury by imaging technology
Project/Area Number |
16K01356
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 賢 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (50432258)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 心筋梗塞 / 虚血再灌流障害 / TRPM4チャネル / CRISPR/Cas9 / ミトコンドリア膜電位 / 細胞内ATP濃度 / ラット心筋細胞株H9c2 / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らはこれまでの研究により、ラット心臓および心筋細胞において、虚血再灌流障害およびその模擬状態の増悪に、一過性受容器電位チャネルサブタイプM4(TRPM4チャネル)が関与していることを明らかにしてきた。しかし心臓虚血再灌流障害へのTRPM4チャネルの関与がヒトにおいても見られるか否かは定かではない。これを明らかにするため、TRPM4チャネルをCRISPRノックアウトしたヒトiPS心筋細胞を用い、虚血再灌流障害の模擬状態においてTRPM4チャネルが細胞傷害に与える影響を調べる実験系を考案した。 その前段階として、ラット心筋細胞株H9c2のTRPM4チャネルのCRISPRノックアウトを行なった。その結果、単一対立遺伝子ノックアウト細胞および両対立遺伝子ノックアウト細胞を得た。単一対立遺伝子ノックアウト細胞において、虚血再灌流障害を模擬する過酸化水素投与を行なったところ、野生型細胞と比べ細胞傷害の程度が軽減されていることを確認した。また単一対立遺伝子ノックアウト細胞では、過酸化水素投与によるミトコンドリア膜電位変化および細胞内ATP濃度の減少が軽減されていることを確認した。これらの結果は、虚血再灌流障害のもう一つのモデルである低酸素/再酸素化処理においても同様に認められた。 以上の結果から、虚血再灌流障害の模擬状態における細胞傷害にはTRPM4チャネルが関与しており、そのメカニズムにはミトコンドリア膜電位変化および細胞内ATP濃度の減少が関係していることが示唆された。今後はヒトiPS心筋細胞を用いてTRPM4チャネルのCRISPRノックアウトを行い、ヒトの心臓虚血再灌流障害の病態解明を進めたい。
|
Research Products
(5 results)