2016 Fiscal Year Research-status Report
新規冷却MRIコイル付ホーン型とTMモード共振器型ESRによる腫瘍イメージング
Project/Area Number |
16K01364
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
上田 徹 大分大学, 福祉健康科学部, 特任教授 (90315333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正 大分大学, 工学部, 名誉教授 (30100936)
大賀 恭 大分大学, 工学部, 教授 (60252508)
大西 晃平 大分大学, 医学部, 助教 (30751416)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | ESR計測 / 冷却装置付き / TMモード共振器 / 人工試料 / 石英製組織固定器具 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内のフリーラジカルの分布領域を画像化することは、酸化ストレス由来の疾患の診断や創薬における酸化能評価において有用である。我々はこれまで、世界で唯一稼働の電磁ホーン型ESR装置を使って生体試料のESRイメージングの研究を行ってきた。ESRイメージングの解像度の向上を求めて、本研究では、新規冷却装置付き3次元MRIコイルを電磁ホーン型ESR装置またはTMモード共振器に組み込み、生体のESRイメージングを行う予定であった。前年度までの研究で、冷却装置付き3次元MRIコイルを電磁ホーン型ESR装置に組み込み人工試料のESR計測は可能となったが、磁場勾配の不均一が生じたため、生体試料のESRイメージングまでは至らなかった。今回は、その問題点を考慮した上で電磁ホーン型ESR装置にマッチした新規の冷却装置付き3次元MRIコイルを考案したが、実際に限られた予算ではその設計が困難であったこと、生体のESRイメージングを行なう際、感度不足が器具されたことから断念し、TMモード共振器を使ったESRイメージングのみを行なうこととした。今年度は、新規冷却装置付き3次元MRIコイルの開発と、これに対応したTMモード共振器の試作に成功した。人工試料を使ったESR計測を行っているところだが、至適な計測条件を決まらず検討中である。また、まず生体の組織試料を使って2次元でのESRイメージングーを行うため、TMモード共振器ESRイメージング用の石英製組織固定器具を考案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の採択が通常の期限で決まらなかったことから研究の開始が遅れた。 また、電磁ホーン型ESR装置にマッチした新規の冷却装置付き3次元MRIコイルを設計するにあたり、検討を重ねた上予算内での作製が不可能と判断するまでに時間を要した。残りの期間を主に新規冷却装置付き3次元MRIコイルとTMモード共振器の設計および試作に使ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初は、新規冷却装置付き3次元MRIコイルを電磁ホーン型ESR装置に組み込み、生体のESRイメージングを行なう予定であった。しかしながら、この手法だと予算内でのMRIコイルの作製と生体のESRイメージングに十分耐えうる感度が獲られない可能性が高いことが設計の段階で判明し、新規冷却装置付き3次元MRIコイルをTMモード共振器に組み込むこんだESRイメージングのみ行うことへ変更した。現在、この装置を使って人工試料のESR計測を行い、計測条件の調節を行なっている。今後は、生体を使ったESRイメージングを行なう前に、予め動物の脳に植え込まれた腫瘍を、脳ごと取出し組織ブロックを作製し、ESRイメージング行なう予定である。
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Causes of Carryover |
冷却装置付き3次元MRIコイルおよびTMモード共振器の作製に要した費用が、当初予定した金額より安価で済んだだめ
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
TMモード共振器を使った実験へ変更したため、組織固定用の石英製装置などに費用を流用する
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