2018 Fiscal Year Annual Research Report
The onset mechanism of subendocardial ischemia during dysfunction of coronary microcirculation in diabetes mellitus by an infrared fluorescence microscope
Project/Area Number |
16K01384
|
Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
矢田 豊隆 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00210279)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 康夫 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (10152365)
仲本 博 川崎医科大学, 医学部, 助教 (10299183)
佐々木 環 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30187124)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 内皮依存性過分極 / 過酸化水素 / caveolin-1 / 一酸化窒素 / 心内膜側微小血管 / 血管内皮 / 近赤外線蛍光顕微鏡 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
近赤外線蛍光顕微鏡を用いて糖尿病性心筋虚血モデルの心内膜側冠微小循環側副血行路の血管拡張効果を評価し、血流増加に関与する心内膜側虚血発症及び側副血行路血流改善の両メカニズムを解明する事を目的とする。 平成28年度 近赤外線顕微鏡を用いた虚血心外膜側副血行路、冠微小循環改善評価;正常群に比べ糖尿病群において冠血管予備能の低下を認め、特に一酸化窒素(NO)の血管内皮機能低下を認め、その代償機能として内皮依存性過分極としての過酸化水素(H2O2)が作用した。 平成29年度 心筋虚血モデルのH2O2とNO産生ルート評価及び血管拡張薬による血流改善評価 (1) EDH/H2O2産生ルート評価(ELISA):H2O2は、正常群に比べ糖尿病群で減弱した。eNOSは、正常群の非虚血部に比べて、糖尿病群の虚血部において低下を認めた。 心外膜側冠動脈に比べ、心筋内微小血管におけるcaveolin-1は、有意に高かった。しかし、両群の間で有意差を認めなかった。(2)血管拡張薬による血流改善評価:虚血後側副血行路の血流改善のため、血管内皮機能改善薬 アンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の投与群と非投与群の比較。 ARBの投与群と非投与群でブラジキニンを介した血管拡張反応を評価した所、細動脈で血管拡張を認め、H2O2の産生増加を認めた。 平成30年度 近赤外線同顕微鏡による糖尿病性心筋虚血時の心内膜側微小血管の観察及びNOの評価 心内膜側微小血管においても、正常群に比べ糖尿病群において冠血管予備能の低下を認め、虚血糖尿病群において、非虚血正常群に比べリン酸化eNOSの低下を認めた。 以上より、糖尿病性虚血心内膜側冠微小循環障害時、NO合成障害を認め、その代償機構としてH2O2増加による細動脈拡張、caveolin-1、H2O2が虚血改善拡張因子として関与する事が窺われた。
|
Research Products
(6 results)