2018 Fiscal Year Research-status Report
タンパク質‐DNAハイブリッド分子ナノ構造体導入による細胞リプログラミング
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16K01388
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三重 正和 東京工業大学, 生命理工学院, 准教授 (40334528)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 転写因子 / タンパク質導入 / リプログラミング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は転写因子タンパク質-DNAハイブリッド分子を構築し、複数種類の転写因子タンパク質を提示したナノ構造体を細胞内に導入し、細胞をリプログラミングすることを目的とする。研究開始から3年目となる平成30年度は、ドーパミン作動性ニューロンへの分化誘導を目的として、転写因子Mash1 (Ascl1) および Nurr1タンパク質の大腸菌発現系を利用した発現、さらには精製を行った。マウス由来細胞よりクローニングした各転写因子タンパク質を大腸菌発現系にて発現させたところ、Mash1タンパク質は不溶性画分内に確認することができた。一方Nurr1タンパク質の発現量は少なく、その発現はウエスタンブロッティングにて、ようやく確認できる程度であった。このNurr1の発現条件を検討したが、改善されることは無く、タンパク質を取得することが出来なかった。一方、Mash1タンパク質は不溶性画分より精製することにより得ることが出来た。透析によるリフォールディングの後、得られたMash1タンパク質をマウス由来神経芽細胞N1E-115に添加したところ、神経突起伸長が確認された。更には、神経特異的なタンパク質およびmRNAの発現が確認できたことから、得られたMash1タンパク質が活性を有し、神経分化を誘導出来ることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
細胞のリプログラミングに必須となる転写因子タンパク質の大腸菌系での発現を試みたがNurr1タンパク質は、発現こそしているものの、その発現量は非常に低かった。精製の後、濃縮を試みたものの十分量得ることが出来なかったため、研究は予定通り進行しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
Nurr1に変わり、既に発現・精製に成功しているMash1との組み合わせにより線維芽細胞から神経細胞へのリプログラミングが促進されてることが報告されている他の転写因子タンパク質の発現・精製を試み、タンパク質導入による高効率な細胞リプログラミングが実現可能であるかを検討していく。
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Causes of Carryover |
当初計画していた転写因子タンパク質の大腸菌発現系での発現量が思うように得られなったため、予定していた評価のための試薬類を購入しなかったために次年度使用が生じた。 次年度は、転写因子タンパク質発現・精製のための試薬購入、細胞培養試薬類等の購入を予定している。
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