2017 Fiscal Year Research-status Report
光応答性UCST型高分子の構築とスフェロイド形成制御
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16K01389
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
嶋田 直彦 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (10423972)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | UCST / ウレイド高分子 / 光応答性 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウレイド高分子は生理的条件下において高温溶解型の相分離挙動を示す珍しい高分子である。申請者らはウレイド高分子を培養細胞に添加した際相分離温度以下で細胞凝集塊を形成し、相分離温度以上で単層へと戻ることを見出した。本研究は細胞にとってストレスの高い温度刺激ではなく光刺激によって相分離を起こす光応答性ウレイド高分子を作製し、細胞形態制御を光刺激によって行うことを目的とした。前年度においてウレイド高分子の設計と光応答性官能基の導入を試み、、紫外光に応答する光応答性官能基導入ウレイド高分子を得た。本年度は細胞培養温度である37℃近辺に相分離温度を有するようなウレイド高分子を設計し、光応答性制御を試みた。具体的には光応答性官能基の導入率を様々に変え、光照射の有無で相分離温度を評価した。その結果、光応答性官能基の導入率が多くなるほど疎水性の上昇に伴う相分離温度の上昇が観察された。さらに、導入率の高い高分子ほど、光照射の有無によって相分離温度に大きな差異が示された。この大きな差異は一定温度において光照射によって相分離を制御する上で重要である。光照射の繰り返し性を評価したところ、少なくとも4回は繰り返し可能であることが分かった。 また、細胞への展開を考えて、細胞培養溶液中において光照射によって相分離挙動が制御できるかを試みた。細胞培養液中において、相分離した高分子はコアセルベート滴として細胞培養皿の底面に付着していた。この付着したコアセルベートに対して光照射を行うことで速やかにコアセルベートは相溶した。また、光照射マスクを使うことで任意の場所でだけで相分離・相溶作用を引き起こさせることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光応答性の制御ができており、おおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
可視光応答性を持たせる分子設計ならびに細胞への展開を行う。
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Causes of Carryover |
分子設計が当初計画よりも上手くいったため、当初計画分よりも次年度使用額が生じた。翌年度は細胞培養関連の消耗品に充てる予定である。
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Research Products
(5 results)