2017 Fiscal Year Research-status Report
血液網膜関門を回避する低侵襲性網膜指向型核酸送達システムの構築
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16K01397
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
高島 由季 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (70236214)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | モノクロ―ナル抗体 / 網膜色素上皮細胞 / ナノキャリア / 点眼剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度に選別ならびに大量生産した網膜色素上皮細胞(RPE)に選択的に内在化するモノクロ―ナル抗体を用い、これをリガンドとした核酸送達ナノキャリアを構築することを目的として以下の検討を行った。これまでに核酸送達に有用であることを明らかとしている独自の機能性ペプチド(アミノ酸配列:CH2R4H2C2)とRPE標的モノクローナル抗体に化学的に修飾し、網膜指向型の抗体-機能性ペプチドキャリアを調製した。これに蛍光標識FAM-siRNAを添加混合して作製したモノクローナル抗体-ペプチド/siRNAナノ複合体は、選択的にRPE細胞に取り込まれることが確認され、siRNAを特異的に網膜に送達するペプチドキャリアとなる得ることを示した。また、これまでに点眼によっても高い網膜移行性を示すことを明らかとしている脂質ナノ粒子の表面にジスルフィド結合によりモノクローナル抗体を修飾した網膜指向型のイムノ脂質ナノ粒子の調製についても試みた。得られたイムノリポソームは、抗体修飾率依存的にRPE細胞に取り込まれ網膜指向性を示すことが判った。また、RPE細胞を用いて形成した生体を模した単層膜に対してもモノクローナル抗体により選択的に内在化することを確認した。さらに、健常ラットに点眼後の眼内分布を評価したところ、眼球から単離した網膜組織に特異的に集積することが確認され、点眼によって核酸を後眼部(特に網膜)へ送達し得るDDSキャリアとなる可能性を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハイブリドーマからラットRPEに特異的なモノクロ―ナル抗体の選定・大量培養に長期間を有するが、現時点では今後の検討に期待できる抗体の選定ができたと考えている。選定したモノクローナル抗体が標的とする網膜細胞に選択的に内在化することを確認できたが、機能性ペプチドや脂質ナノ粒子への効率的な修飾方法や処方について、さらなる検討が必要であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、選定したラット網膜指向型のモノクローナル抗体の核酸ナノキャリアへの修飾方法ならびに処方についてさらなる検討を行うとともに、ラット及びヒトRPE細胞における内在化能ならびに細胞障害性等を評価し、また、脈絡膜新生血管モデルラットを作製し、点眼後の眼内分布を健常ラットと比較検討する。さらに、血管新生因子(VEGF)の産生を阻害するsiRNAを搭載したモノクローナル抗体修飾脂質ナノ粒子を調製し、網膜疾患ラットへ点眼後の血管新生抑制効果等の治療効果の評価を試みる。
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Causes of Carryover |
研究遂行にあたり、モノクロ―ナル抗体の大量生成を継続的に行うにあたり、次年度にまたがり必要な培養試薬等の物品購入を連続的に行う必要があったため、一部次年度使用額が生じている。次年度分と併せて、引き続きモノクロ―ナル抗体の作製を行い、さらにナノキャリアへの修飾に必要な消耗物品費、ならびにsiRNAによるVEGF産生抑制効果等を評価するためのELISAキットや蛍光観察用試薬等の購入に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)