2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of apoptotic cell membrane mimetic polymers for anti-inflammatory therapy
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16K01402
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
荏原 充宏 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA准主任研究者 (10452393)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 炎症 / アポトーシス / スマートポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
炎症は、古くから熱・痛みを伴う赤みや腫れと広く理解され、感染や組織傷害に対して生体が発動する組織修復機構とされてきた。しかし、近年、この炎症が消散せず慢性化した状態が、数々の疾患の要因となっていることが示唆されている。最近の研究においても、アルツハイマー病の初期あるいは病気の確定後に、炎症に関与する抗体を投与することで症状が緩和し、認知課題において記憶が改善することが報告されている。しかし、抗体医薬は非常に高価であり、低分子薬の数倍から数十倍もする薬価がその普及を妨げている。そこで本提案課題では、アポトーシスを起こした細胞が細胞膜表面に露出するフォスファチジルセリン(PS)を介して免疫反応を抑制することに注目し、PSと類似構造を有するアポトーシス模倣新規合成ポリマーの合成およびその炎症治療への応用、特にアルツハイマー病への応用を目指して研究を行った。まう、PSの活性部位を側鎖に有する新規PS誘導体モノマーの分子設計を行い、合成した。合成方法としては、DNAの固相合成に用いられるホスホロアミダイト試薬を転用する手法を試みた。次に、マウス由来マクロファージであるRAW264.7を用い、免疫反応において中心的役割を果たす転写因子である核内因子の活性を測定することで、PS含有ポリマーの抗炎症活性を評価した。炎症性サイトカイン抗炎症性サイトカインのレベルをEnzyme-Linked Immuno Sorbent Assay (ELISA)および電気泳動により測定した。さらに脳免疫細胞MG-6(ミクログリア状細胞)を用いて抗炎症評価を行った。以上の結果より、マクロファージおよびミクログリアの炎症活性をPSが抑制することが明らかとなた。
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Research Products
(12 results)