2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K01413
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山崎 文靖 高知大学, 医学部附属病院, 特任教授 (10243841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弘田 隆省 高知大学, 医学部附属病院, その他 (10437741)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 低侵襲治療システム / 起立性低血圧 / 空圧パンツ / 血圧自動制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでわれわれは、重度起立性低血圧治療のため、硬膜外カテーテルを用いた人工圧反射装置を開発してきが、侵襲的であることから実用化が困難であった。そこで、空圧ショックパンツを用いて非侵襲的に下半身を圧迫する装置を考案し、プロトタイプを開発した。今回、血圧低下治療を効率的に行うことが可能な小型空気嚢を備えた空圧パンツを開発するため、3年間の実験的臨床研究を行う。 平成29年度は、以下を行った。 空気嚢の設計:現在の空圧パンツの空気嚢を詳細に検討すると、外被面積に対する空気嚢面積の割合は37-42%であった。単純に下半身の圧迫効率を考えると、圧迫面積は大きい方が良いので耐Gスーツの空気嚢は大きくなる傾向(70%ほど)にあるが、医療現場での使用では40%の空気嚢では十分な加圧、血圧制御が行えることがわかった。この空圧パンツを装着して行った以下の制御について検討した。 1)連続血圧(非侵襲的)での制御:起立性低血圧を有する自律神経疾患患者5例で、連続血圧を入力とした空圧制御器を用い起立負荷検査を行った結果では、起立可能時間を最短30秒(制御なし)から5分間に延長することが可能であった。また、腹壁呼吸変動からパンツ圧への影響も十部バッファすることが出来、装着感は快適であった。 2)非連続血圧(上腕カフ血圧)での制御:起立性低血圧を有する自律神経疾患患者(5例)で、立位および座位での血圧低下を制御した。起立負荷では起立可能時間を最短40秒(制御なし)から300秒まで延長させることが可能であった。さらに、座位での血圧低下に関しては、座位可能時間を最短1分30秒(制御なし)から10-17分まで延長させることが可能であった。装着感も良好であった。 また、空気嚢%が20%程度の空圧パンツの設計が終わり現在制作中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中等度(30-4%)の空気嚢を有する空圧パンツでの検討はおおむね完了し、その効果と装着感は良好な成果であった。空気嚢20%前後の空圧パンツに関して、設計は終わり、パンツの完成待ちの状態。完成を待って血圧制御の有効性の検討を開始する。より重症の患者を対象にしているため症例数は少ないが、検討は十分なされている。
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Strategy for Future Research Activity |
小型空気嚢の空圧パンツは7月に完成する予定。臥位で空圧パンツを装着し、ランダム圧を入力することでパンツ圧から血圧までの伝達関数を記述し、ステップ応答関数を算出する。それぞれのパンツのステップ応答関数を用いて、圧迫効率を定量的に評価する方法を用いて、それぞれのパンツ装着時の圧迫効率を定量的に評価する。完成したシステムを用いて小型空気嚢で起立負荷検査(カテコラミン等液性因子の解析を含む)を行いその有効性を確認する。本来なら、比例補償係数、積分補償係数の決定は実際の制御中に各患者さんで行う必要があるが、経験上、p=0.15、i=0.01でコントロールできることがわかっているので、一定パンツ圧でランダム起立負荷を行い、血圧低下の程度を定量的に評価する方法も検討する。 小型空気嚢を装備した人工圧受容器反射システムの再設計は従来通り行う。サーボコントローラの動作原理としては,比例・積分補償型のネガティブフィードバックを採用する。刺激-血圧応答関数の平均値H2(f)は上記で記述した応答関数を用いるが、反応が同じであればゲインファクターを変更して用いる。ステップ状の血圧低下に対する血圧サーボシステムの振る舞いを比例補償係数Kp=0, 1, 2,積分補償係数Ki=0, 0.01, 0.05, 0.1, 0.2の組み合わせでシュミレーションし,血圧サーボシステムがもっとも安定的かつ迅速に血圧低下を代償する係数を決定する。
分担研究者として弘田隆省医師(循環器内科学)、連携協力者として佐藤隆幸医師(循環制御学)が制御システム設計に協力し、森田ゆかり医師(神経内科)、清家真人医師(いずみの病院、脳神経外科)、豊永晋一医師(土佐市民病院、脳神経外科)が起立性低血圧を有する神経疾患患者のフォローに協力する。また、国内で唯一耐Gスーツを製造している藤倉航装技術部の斎藤智幸が空圧パンツの設計に協力する。
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Causes of Carryover |
解析ソフトウェアの購入を遅らせたことと、研究補助員の雇用を遅らせたことによる。
消耗品費として、空圧パンツ改変費用、連続血圧測定装置改修費用、データ保存用メディアを計上する。人件費・謝金として、前年と同様、研究補助員を1名確保するための経費を計上する。また、調査・研究旅費を計上する。
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Research Products
(1 results)