2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an automatic control system of physiological brain conditions for advanced brain resuscitation
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16K01420
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
檮木 智彦 東海大学, 工学部, 講師 (70431955)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脳血液循環 / 脳組織水分移動 / 脳組織熱移動 / 脳代謝 / 生理状態モデル / 治療システム / 脳蘇生 / 自動制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、前年度までに構築してきた静的脳血液循環モデルと脳組織水分移動モデル、及び静的脳血液循環モデルと組織熱移動モデルの統合を行った。これらの統合は、モデル間で共通な変数を共有化することで実現した。これらの統合で、これまでは関係が定量的に把握できなかった、例えば平均動脈圧や中心静脈圧の変化による脳圧や脳温の変化といった関係が考察できるようになった。以上について、2019年6月に沖縄で開催される日本生体医工学会大会で発表する予定である。 また、脳蘇生では脳代謝の動態の評価も欠かせない。そこで、本年度はグルコースの移動と消費を表現するモデルを構築した。グルコースが脳血液関門を促進拡散によって選択的に移動するという特徴は、ミカエリス・メンテンの式を適用して解決した。今後は、グルコース代謝に伴う酸素及び二酸化炭素の移動・消費・生成についてもモデル化を進める。なお、この脳代謝モデルについても2019年6月に沖縄で開催される日本生体医工学会大会で発表する予定である。 脳血液循環モデルが静的モデルのままだと、血管の収縮・拡張による脳内貯留血液量の増減を計算することができず、15年ほど前に臨床でも試みられた動脈血二酸化炭素分圧の操作による脳圧調節も表現できない。したがって、今年度は動的脳血液循環モデルも構築し、現在は健常成人の状態を妥当に表現できるようになっている。次年度以降で、この動的脳血液循環モデルと脳組織水分移動モデル、組織熱移動モデル、及び脳代謝モデルとの統合を進める予定である。動的脳血液循環モデルについては、2019年2月にロンドンで開催された1st ICRSETで発表した。また、現在、MRIなどによる実測データとの比較によるモデルの検証を進めており、2019年夏までに原著論文として投稿する予定である。
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