2016 Fiscal Year Research-status Report
がんとその周辺微小環境を包括的に制御する高効率光免疫療法の確立
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16K01427
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
白須 直人 福岡大学, 医学部, 講師 (70551422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 晋一郎 福岡大学, 医学部, 教授 (50336111)
芝口 浩智 福岡大学, 医学部, 講師 (60295061)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 光免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、腫瘍関連抗原をはじめとした種々のマーカー抗原に特異的なビオチン化抗体(BioAb)と、近赤外光感受性物質を結合させたアビジン(AvIR)とを用いた、腫瘍細胞とその周辺微小環境とを併せて標的とする包括的な光免疫療法(PIT)の確立である。ヒト乳がん由来の癌関連線維芽細胞(CAF)とヒト乳がん細胞株MCF-7-lucの共培養により形成させた腫瘍スフェアに対して、CAFマーカーであるFAPと癌幹細胞マーカーCD44に対するBioAbを用いたAvIR-PITを施した結果、強い細胞傷害性とスフェアの崩壊が確認された。これらの細胞を免疫不全マウスのmammary fat padに共移植して作製した同所移植モデルに対して同様のAvIR-PITを試みたが、腫瘍形成の再現性が低く安定した抗腫瘍効果を確認することが困難であった。 一方、さらなるAvIRの適応拡大と有効性の確認を企図し、ヒト肝がん細胞株HuH-7に対するin vitroでの検討を実施した。HuH-7は高い腫瘍形成能をもつCD133およびEpCAM陽性の細胞群を含み、いわゆるSide population(SP)細胞も同様のマーカーを発現していることを確認した上で、これらマーカーに対するBioAbを用いたAvIRを行った。その結果、著しい殺細胞効果が認められ、特にCD133+/EpCAM+細胞やSP細胞に対する効果が高いことを明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CAF細胞およびMCF-7-luc細胞の共培養により作製した腫瘍スフェアモデルに対してAvIR-PITの有効性を確認できたものの、これらの細胞を用いた同所移植モデルマウスを安定に作製することが手技的に困難であったためin vivoでの効果確認が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
癌幹細胞を標的としたAvIR-PITの有効性がin vitroにおいて認められたHuH-7細胞を用いて担癌モデルマウスを作製し、in vivoにおける効果を確認する。さらに、腫瘍血管内皮マーカーに対するBioAbなどの併用効果を検討する。
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