2017 Fiscal Year Research-status Report
超音波感受性物質内封ナノリポソームを用いた非侵襲的がん超音波力学療法の実用化研究
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16K01428
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
芝口 浩智 福岡大学, 医学部, 講師 (60295061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 晋一郎 福岡大学, 医学部, 教授 (50336111)
白須 直人 福岡大学, 医学部, 講師 (70551422)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 超音波力学療法 / ナノリポソーム / DDS / マイクロバブル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,低出力の超音波と超音波感受性物質DEG,マイクロバブルの組合せによる超音波力学療法(combination sonodynamic therapy: cSDT)が非侵襲的ながん治療法として非常に有望であることから,超音波感受性物質の腫瘍特異性と投与経路(静脈内投与)の改善を目的に,DEG内封ナノリポソームの作製とin vitroでの正常解析とin vivoでの効果検証を主な目的としている。 DEG内封ナノリポソームの作製:DEG内封ナノリポソームの作製を行った。このとき,DEGのPBS溶液を用い超音波照射あるいは攪拌によるサイズの違いを検討した。 DEG内封ナノリポソームの正常解析:DEG内封ナノリポソームの性状解析を行った。超音波照射による作製では,平均100nmのナノリポソームが作製され,攪拌による200nmのものよりサイズの小さいものが得られた。より小サイズのナノリポソームが望ましいことから,超音波照射時間の延長など,条件検討を引き続き行う。また,in vitroでの細胞分布及びin vivoでの腫瘍特異性については検討を始めたところである。 cSDTの効果:cSDTの効果をin vitroで検討した。このとき,ナノリポソームが作製が間に合わなかったためDEG溶液を用いた。マイクロバブル共存時の細胞傷害効果は,非存在下に比べ有意に高いことが確認できた。ナノリポソームでの効果については現在検証中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
DEG内封ナノリポソーム作製で,性状解析を行うための機材がなく条件検討ができなかったため,組合せ超音波力学療法(cSDT)のin vitro及びin vivoでの効果検証が予定通り進まなかった。これまでの検討で,最低条件の設定は行えたため,現在in vitroでの細胞内分布やin vivoでの腫瘍集積性などについて検討を始めたところである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題で採用しているDEGは,これまでに報告されてきた超音波感受性物質と違い光に対する感受性を持たないことがわかっている。これは,光過敏症などの副作用を回避できるという点では非常に優れた性質であるものの,その一方で蛍光を発生しないため,動態解析を難しくしている。以上のことから,ナノリポソームに蛍光物質ICGなどを同時に持たせ,in vitro及びin vivoでの動態解析とcSDTの効果検証を行う予定である。 このとき,ナノリポソームのサイズの違いがどの程度動態やcSDTの効果に影響するのかについても検証し最適な製剤条件を探索する。
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Causes of Carryover |
DEG内封ナノリポソームの作製条件の検討にあたり,その正常解析を行う手段がなかった。その後,機材を借りることができDEG内封ナノリポソームの作製は行うことができたが,当初の予定通りには進まず高価な免疫不全動物を購入することがなく,結果として予算の執行を行わなかったため。
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