2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K01432
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
新田 尚隆 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 主任研究員 (60392643)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 画像診断システム / 医療・福祉 / 生物・生体工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体組織の音速は組織変性と相関があり、疾病診断等のために高精細な音速分布の画像化が望まれている。これまで、MRIから得られる伝搬距離情報と超音波の伝搬時間情報を組み合わせ、生体内の音速を非侵襲で測定するマルチモダリティ法の検討を進めてきた。しかし従来法では、厚さ方向での平均音速の算出に留まり、組織内の音速分布を可視化することができなかった。そこで本研究では従来法を発展させ、組織内の音速分布を画像化するための技術開発を行う。MRI装置内で使用できる超音波振動子の製作と信号処理法等の開発を行い、生体模擬材料や実験動物を用いて測定精度や再現性を評価し、本技術の実現可能性を明らかにすることを目的とする。 これまで検討してきた生体内音速測定の実施形態では、まず超音波診断装置で測定対象内における超音波パルスの伝搬時間を測定し、次にMRI装置で測定対象内における超音波パルスの伝搬距離を測定することで縦波の音速を算出していたため、位置決め精度の影響を受けてしまう課題があった。そこで平成28年度は、MRI装置内で超音波振動子を測定対象に接触させ、その場での測定を実現すべく、関連研究の調査を行いながらMRI装置内で使用可能な超音波振動子の設計を行った。MRI装置内に超音波振動子が存在することによるMRI画像への影響を低減させるため、MRI内にテスト用超音波振動子を置いてMRI画像への影響の調査を行い、使用する材料を選定した。さらに音速分布を画像化するための超音波振動子の仕様を決定した。以上により、次年度の試作に繋がる成果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MRI装置内で使用可能な超音波振動子の設計及び仕様決定を行い、次年度における速やかな試作に繋がる成果が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、平成28年度に決定した仕様に基づき、超音波振動子の試作を行う。また並行して、音速分布を算出するアルゴリズムの開発を行い、高精度化と高分解能化を実現するためのMRI撮像方法及び超音波波形の処理方法を検討する。さらに、生体模擬材料を対象とした実験や動物実験を通じ、開発したアルゴリズムの実現可能性や有効性について検証する。
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Causes of Carryover |
MRI装置内で使用可能な超音波振動子の設計において、材料等の最適化及び仕様決定に時間を要したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に決定した仕様に基づき、予定通り超音波振動子の試作を行う。
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