2018 Fiscal Year Research-status Report
視覚反復刺激療法と大脳刺激による視野障害の治療法の開発と臨床応用
Project/Area Number |
16K01455
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
衛藤 誠二 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (70295244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30325782)
大濱 倫太郎 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (50773008)
宮田 隆司 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (80404507)
有馬 美智子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (90404508)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 視覚反復刺激療法 / 同名半盲 / 脳卒中 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中による同名半盲患者の視覚反復刺激療法による訓練効果を観察するため、赤外線による眼球運動測定装置を作成した。これは、被験者の頭部を固定し、コンピューター画面上の動く視標を追従するもので、眼球の追従運動、サッケードを詳細に計測することができる。また、画面の四隅にランダムに現れる視標に素早く目を向ける課題では、視野と注意障害の影響を定量的に評価することができる。現在、健常人において、眼球運動を精度良く記録できることを確認中である。今後、同名半盲、注意障害を有する脳卒中患者において測定を行う予定である。視覚反復刺激療法施行前後における、同名半盲の改善を、視野計測とともに、眼球運動の変化でも観察していくことができる。 複視を有する脊髄小脳変性症患者に対し、経頭蓋磁気刺激を後頭葉、運動野に行うことで、複視の出現する範囲を縮小することができた。患者本人が複視の改善を自覚することができた。運動野付近の広範な部位を、経頭蓋磁気刺激で刺激することが、視覚障害、眼球運動に対して良い影響を与えることを症例報告として論文化し、Cerebellum & Ataxia誌に投稿し、掲載された。視覚的な障害に対する大脳刺激の効果については、まだ報告が少なく、より良い刺激法、治療法開発の端緒となると思われる。今後、視野障害を有する中枢神経疾患患者に、視覚反復刺激療法と経頭蓋直流電流刺激を行い、その効果を視野検査、眼球運動計測で検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
同名半盲の改善を評価する眼球運動測定装置の設定に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、視野障害を有する中枢神経疾患患者に、視覚反復刺激療法と経頭蓋直流電流刺激を行い、その効果を視野検査、眼球運動計測で検討する。
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Causes of Carryover |
研究が遅れているため、研究期間を延長した。助成金により、データ処理のためのコンピューターを購入し、データ入力を行う人に支払いを行う。また、助成金により、学会での成果発表、消耗品の購入も行う。
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