2018 Fiscal Year Research-status Report
振動刺激を用いた脳卒中片麻痺患者歩行訓練支援システムの開発と下肢筋電図評価
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16K01456
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
末吉 靖宏 鹿児島大学, 総合科学域総合教育学系, 教授 (30196688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30325782)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 片麻痺 / 歩行訓練装置 / 振動刺激 / ウェアラブル / リハビリテーション / 筋電図 / 振動モータ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、歩行不全患者に対する歩行リハビリテーションに対して、振動刺激活用の有効性を示す知見が増えている。Ritzmanらの脳性麻痺患者に対する振動刺激治療の効果に関わる文献レビューによると、患者の歩行中の神経系や歩行動作などの粗大運動機能に改善が見られたとしている。また、Afzalらは脳卒中片麻痺患者への下肢の振動刺激による効果として、歩行動作や筋力発揮の仕方の対称性に改善が見られたとしている。我々も振動刺激を下肢に与えることにより、脳卒中片麻痺患者の歩行促進に寄与する装置の開発を目指している。装置は、両側足底につける荷重センサで歩行中の立脚/遊脚のタイミングを計測し、そのタイミングに合わせて振動モーターによる歩行患者の下肢を刺激し促通をはかり、片麻痺患者の歩行促進を図る装置を目指している。このような装置の製作を業者に依頼して完成を待っていたが、事情により完成できなかったため、その後別な業者に製作の依頼を行い、開発の段取りを進めており、今年度早期に開発を実現する予定である。また、本年度は、歩行改善の評価方法の再検討を行った。これまでも歩行改善の評価は、10m歩行時間や関節角度のピーク値などを用いてきたが、これらは歩行周期中の一時点のみの値を抽出した指標で、歩行周期全体に亘る動きの評価にはなっていなかった。歩行周期全体の評価を行うために、関節角度などの歩行変数に対して相互相関係数を用いることを考え、そのプログラムを作成した。これを用いると、同一歩内での左右の比較は、その一致度が左右差(麻痺―非麻痺側間差)を表す指標となり、また、同一側の数歩の指標の相互の相関係数は、歩行時の動きの一貫性を表す指標となる。健常者および片麻痺患者数名を用いた予備的計測の結果は、前述の計算方法が妥当であることが確認された。今後の歩行計測の評価に活用していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
装置開発業者と装置の共同開発を進めていたが、別の開発業者に入れ替える必要が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
無線センサ方式の歩行訓練支援システムの開発に向け、新たな業者との共同開発に取り組む。一方で、装置開発とは別に、歩行中の下肢筋に振動刺激を行い、その有無による下肢筋電位、および歩行3次元動作への影響を健常者で確かめ、有効な振動刺激位置を見出した後、片麻痺患者での歩行改善に対する下肢への振動刺激の有効性の検証を行う。
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Causes of Carryover |
無線センサを用いた片麻痺患者訓練支援システムの無線センサの開発を依頼し、開発完了を待っていたが、結局、この業者は対応できず、別の業者に依頼をし直すため。また、このため、実験計測時に生ずる人件費等も発 生しなかったため。
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